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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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最後の九人、買い物へ行くこと

 2027年3月20日。



 世界人口。



 9人。



 変化なし。



 人類。



 絶滅寸前。



 だが。



「醤油が切れた」



 大問題発生。



 主婦。



 真顔で言う。



 しん。



 拠点。



 静まり返る。



「マジか」



 元教師。



 呟く。



「マジよ」



「残りは」



「小皿半分」



「終わったな」



 終わっていなかった。



 だが。



 食卓は終わる。



 一方。



 神界。



「まだ9人です」



「しぶとい」



「しぶといですね」



「場所は」



「不明」



「何で?」



「分かりません」



 いつも通りだった。



 一方。



 最後の拠点。



「買いに行くか」



 佐藤。



 言う。



「どこへ」



「スーパー」



「人類最後の買い物だな」



 元配信者。



 笑う。



 というわけで。



 買い出し隊。



 出発。



 メンバー。



 佐藤。



 高校生。



 元自衛官。



 三人。



 雪解けの山道を下る。



 途中。



 軽トラ。



 いる。



 道端。



 軽トラ。



 駐車場。



 軽トラ。



 木の上。



 軽トラ。



「木の上は何なんだよ」



「知らん」



 誰も知らない。



 一時間後。



 旧大型スーパー。



 到着。



 駐車場。



 無人。



 静か。



 風だけが吹く。



「映画みたいだな」



 高校生。



 呟く。



「ゾンビ映画な」



「ゾンビいねえけど」



「軽トラいる」



「もっと嫌だな」



 全員納得。



 店内。



 入る。



 懐中電灯。



 照らす。



 商品棚。



 かなり残っている。



 人口9人だからである。



「米あるぞ」



「味噌もある」



「缶詰も」



「醤油だ!!」



 主婦に報告案件だった。



 その時。



 佐藤。



 ふと立ち止まる。



「ん?」



 ゲームコーナー。



 そこに。



 携帯ゲーム機。



 並んでいた。



「懐かしいな」



 手に取る。



 電源。



 入る。



 ついた。



「まだ動くのか」



「すげぇ」



 高校生。



 覗き込む。



 その時。



 画面。



 表示。



『2026年4月5日』



 セーブデータの日付。



 軽トラアポカリプス前日。



 しん。



 一瞬だけ。



 全員。



 黙る。



「平和だったな」



 佐藤。



 ぽつり。



「平和だったな」



 元自衛官。



 頷く。



 たった一年。



 されど一年。



 世界は変わった。



 その時。



 店の外。



 ゴトッ。



 しん。



 三人。



 固まる。



「聞いたか」



「聞いた」



「軽トラか」



「軽トラだろうな」



 恐る恐る。



 外を見る。



 そこには。



 軽トラ。



 一台。



 いた。



 ただし。



 駐車していた。



「……」



「……」



「駐車してるな」



「駐車してるな」



 五分ほど様子を見る。



 動かない。



 完全に駐車している。



「何だったんだ」



「知らん」



 結局。



 買い物だけして帰る。



 一方。



 神界。



 観測神。



 頭抱える。



「何で見つからないんだ……」



 反応はある。



 確実にある。



 しかし。



 場所が特定できない。



 神々。



 少しずつ。



 焦り始めていた。



 そして。



 最後の九人は。



 醤油を確保した。



 人類最後の大勝利である。

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