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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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軽トラ対策本部、迷走すること

 2026年5月15日。



 軽トラ出現開始から。



 三十九日経過。



 人類。



 まだ滅んでいなかった。



 しぶとかった。



 一方。



 軽トラ。



 まだ出ていた。



 しぶとかった。



 どちらもしぶとかった。



 日本政府。



 軽トラ対策本部。



 会議中。



「現在の転生者数は」



「約四億人です」



「多いな」



「多いですね」



 全員知っていた。



 その時。



 会議室。



 新しい資料配布される。



『軽トラ対策案』



 大臣。



「読め」



 全員。


 読む。



 一枚目。



『軽トラ注意ポスター』



「意味ある?」



「無いですね」



 二枚目。



『軽トラ避難訓練』



「意味ある?」



「無いですね」



 三枚目。



『軽トラ接近警報アプリ』



「軽トラどこから来るんだ?」



「分かりません」



「なら無理だな」



 終了。



 一方。



 SNS。



 平和だった。



『今日の軽トラ』



 写真。



 屋上の軽トラ。



『うちの軽トラ』



 写真。



 田んぼの軽トラ。



『野良軽トラ見つけた』



 写真。



 公園の軽トラ。



 もはや野良猫扱いだった。



 一方。



 神界。



 居酒屋『転生亭』



 今日も営業中。



「乾杯ー」



「お疲れ様でーす」



 かちん。



 一柱の神。



「最近地球人慣れてきたな」



「分かる」



「反応薄い」



「もっと驚いて欲しい」



 ひどかった。



 その時。



 新人神。



 手を挙げる。



「質問です」



「何だ」



「軽トラ以外じゃ駄目ですか?」



 しん。



 全員。


 新人を見る。



「例えば?」



「大型トラック」



 しん。



「却下」



「何故ですか」



「伝統」



「伝統なの!?」



 新人神。


 衝撃を受ける。



 一方。



 地球。



 某県。



 高校。



 校庭。



 避難訓練中。



「軽トラ接近!」



 先生。


 叫ぶ。



 生徒達。



「伏せろー!」



「伏せろー!」



 訓練されていた。



 なお。



 意味は無かった。



 その時。



 空。



 何か落ちてくる。



「軽トラだ!」



「本物だ!」



 逃げる。



 先生も逃げる。



 校長も逃げる。



 軽トラ。



 校庭着地。



 ドゴォン!!



 そして。



 何も起きない。



「……終わり?」



 近付く。



 見る。



 荷台。



 張り紙。



『転生者募集中』



 しん。



「は?」



 一方。



 神界。



「間違えて広告用送った」



「誰だ」



「俺」



「お前か」



 雑だった。



 地球。



 人類。



 まだ何とか耐えていた。



 しかし。



 軽トラも。



 神様も。



 諦める気は無かった。



 そして。



 この頃から。



 世界各地で。



 少しずつ。



 より意味不明な軽トラが


 発見され始める。



 海に浮かぶ軽トラ。



 木の上の軽トラ。



 地下鉄ホームの軽トラ。



 そして。



 ある国では。



 軽トラの荷台から


 軽トラが出てきた。



「増えた!?」



 誰かが叫んだ。



 だが。



 誰も説明できなかった。

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