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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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神様達、飲み会で愚痴ること

 2026年4月12日。


 軽トラ出現開始から六日後。



 地球。



 ニュース。



「本日も軽トラック出現現象が続いています」



「現在確認されている転生者数は約三千万人」



「なお原因は不明です」



 原因は不明。



 だが。



 神界では。



 原因を作った連中が。



 普通に飲んでいた。



 神界。



 居酒屋『転生亭』



 神々。


 飲み会中。



「乾杯ー」



「お疲れ様でーす」



 かちん。



 ジョッキぶつかる。



 一方。



 テレビ。



 地球。



 軽トラ。



 ドゴォォォン。



 流れている。



 しかし誰も見ていない。



「最近さぁ」



 若い神。


 ビール飲みながら言う。



「同期増えすぎじゃない?」



「分かる」



「分かるわ」



「毎週増えてる」



 神々。


 頷く。



 ここ数年。



 神界。


 異常事態だった。



 毎日のように。



 新しい神。



 誕生。



 新しい異世界。



 誕生。



 新しい作品。



 誕生。



 結果。



 異世界。


 爆発的増加。



「俺が神になった時」



「異世界二千個だったぞ」



「今?」



「二万超えた」



「増えすぎだろ」



 一同。


 笑う。



 笑い事ではない。



 地球から見れば。



 笑い事ではない。



 その時。



 一柱の神。


 焼き鳥食べながら言う。



「でも一番ヤバいの」



「主人公不足だよな」



 しん。



 全員。


 真顔になる。



「それな」



「マジでそれ」



「人足りない」



 神々。


 深く頷く。



 異世界。


 二万超。



 しかし。



 主人公。


 足りない。



 勇者。


 足りない。



 転生者。


 足りない。



「最近さぁ」



「うむ」



「モブ転生すら奪い合いだぞ」



「分かる」



「うち今主人公空席三百人」



「少ないな」



「少なくねぇよ」



 一方。



 別の神。



「うち六百」



「うち九百」



「うち千二百」



「何書いてんだお前ら」



 神界。


 完全に人材不足だった。



 その時。



 一柱の神。


 ぽつりと言う。



「だから軽トラ増やした」



「俺も」



「俺も」



「俺も」



 全員だった。



 地球。



 現在。



 大量の軽トラ。



 原因。



 神Aが送る。



 神Bも送る。



 神Cも送る。



 神Dも送る。



 神Eも送る。



 神Fも送る。



 神Gも送る。



 誰も連携していない。



 結果。



 地球。



 軽トラまみれ。



「最近どこ担当?」



 神。


 聞く。



「剣と魔法」



「ほう」



「お前は?」



「追放系」



「お前は?」



「スローライフ」



「お前は?」



「農業」



「お前は?」



「平安貴族転生」



 しん。



「は?」



「平安貴族転生」



「誰向け?」



「知らん」



 その企画。



 まだ通っていない。



 なぜなら。



 平安貴族本人がまだ確保できていないからである。



 一方。



 地球。



 人口。



 減少中。



 しかし。



 神界。



 飲み会続行。



「新人また来るらしいぞ」



「何人?」



「五百柱」



「増えすぎだろ」



「異世界も増えるな」



「主人公足りる?」



「足りない」



「軽トラ増やす?」



「増やすか」



 雑だった。



 こうして。



 2026年春。



 人類はまだ知らない。



 自分達が滅びかけている理由が、



 宇宙的悪意でも。



 邪神でも。



 魔王でもなく。



 神様達の人材不足


 であることを。



 そして。



 神様達もまだ知らない。



 人類が思った以上にしぶとく、



 一年後。



 最後の九人まで粘ることを。

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