表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ信仰拡大編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
85/313

王都、効率化されかけること

 王都。


 昼。


 大混乱なり。



「効率化開始」


「効率化開始」


「効率化開始」



 百二十台の蒸気機械。


 王都中へ散開しける。



 一方。


 市民達。


 完全困惑。



「何だアレ」


「知らん」


「役所の新兵器か?」


「怖ぇ」



 その時。


 市場。


 機械一台。


 魚屋へ近付きける。



「分析開始」



 魚屋。


「へ?」



「魚陳列効率」



「三十五点」



「改善開始」



「待て」



 次の瞬間。


 魚。


 種類ごと。


 大きさごと。


 価格ごと。


 綺麗に整列。



「速ぇ」


 魚屋固まりける。



「売上向上予測」



「十八%」



「ありがたいけど怖ぇ!!」



 一方。


 別の機械。


 パン屋へ到着。



「分析開始」



「客導線悪化」



「棚配置変更」



 五分後。



 売上上昇。



「有能じゃねぇか」


 佐藤、困惑しける。



 しかし。


 問題は別にありける。



 中央広場。



 先頭機械。


 赤目光らせける。



「非効率検出」



「対象」



「噴水」



「え?」



「利益を生まない」



「削除推奨」



「待てェェェ!!」



 市民達。


 慌てて止めける。



 一方。


 別機械。



「対象」



「公園」



「不要」



「削除推奨」



「待てェェェ!!」



 さらに。



「対象」



「祭り」



「非効率」



「削除推奨」



「それは駄目だろ!!」


 エレノア叫びける。



 一方。


 鈴木。


 頭抱えける。



「だから言ったんだ……」



「何を?」


 佐藤問ひける。



「効率だけ追うと」



「うむ」



「こうなる」



「説得力あるな」



 その時。


 王都中央。



 最大の機械。


 現れたり。



 蒸気。


 歯車。


 巨大煙突。



 どう見ても親玉。



「お前そんなの作ってたのか!?」


 鈴木絶叫しける。



 一方。


 田中。


 少し気まずそうなり。



「試作品」



「試作の規模じゃねぇ!!」



 その時。


 巨大機械。


 低き声にて宣言しける。



「王都分析完了」



「改善案作成」



「改善率」



「九十九・四%」



「嫌な予感しかしねぇ」


 佐藤後退りける。



「第一案」



「王都役人九割削減」



「待て」



「第二案」



「休日廃止」



「待て」



「第三案」



「娯楽廃止」



「待て」



「第四案」



「睡眠時間半減」



「待てェェェ!!」



 王都民。


 ついに敵認定しける。



「倒せ!!」


「壊せ!!」


「やれぇぇぇ!!」



 一方。


 巨大機械。


 冷静なり。



「感情的反論を検出」



「非効率」



「お前ほんとそういうとこだぞ!!」


 鈴木絶叫しける。



 その時。


 貴光。


 静かに前へ出でける。



「む」



 一同。


 視線向けける。



 貴光。


 巨大機械見上げつつ。


 しばし考え込み。



 そして。


 言ひたり。



「楽しからぬなり」



 しん。



 巨大機械。


 停止。



「……何?」


 佐藤固まりける。



 貴光。


 続けける。



「祭り無し」



「休み無し」



「遊び無し」



「飯急ぎ食う」



「嫌なり」



 しん。



 巨大機械。


 処理開始。



「反論分析」



「処理中」



「処理中」



「処理中」



 長い。



 そして。


 数十秒後。



「結論」



「人生の楽しさを数値化できない」



「エラー」



「エラー」



「エラー」



「お?」


 田中、目見開きける。



 次の瞬間。



 ぼふん。



 蒸気噴き出しける。



「処理不能」



「処理不能」



「処理不能」



 がこん。



 停止。



 しん。



 王都。


 静まり返りける。



 そして。


 数秒後。



「終わった……?」



「終わったな」



 王都民。


 一斉に歓声上げける。



「おおおおおお!!!」



「王都が救われた!!」



「英雄だ!!」



「英雄だァァァ!!」



 一方。


 貴光。


 首傾げける。



「飯を楽しみたきだけなり」



「平安貴族らしい理由だな」


 佐藤、呆れける。



 こうして。


 王都事務機械暴走事件。


 解決しけり。



 そして。


 その夜。


 宿にて。


 佐藤。


 ふと昔のこと思い出しける。



 空から降る鉄の車。


 意味不明な災害。


 崩壊していく世界。



 そして。


 人類最後の日。



「……そういや」


 ぽつりと呟きける。



「俺が死ぬ前の話」



 これが。


 第五章――


軽トラ・アポカリプス証言編


の始まりとなりけり。


 ――第八十六話へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ