王都、効率化されかけること
王都。
昼。
大混乱なり。
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「効率化開始」
「効率化開始」
「効率化開始」
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百二十台の蒸気機械。
王都中へ散開しける。
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一方。
市民達。
完全困惑。
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「何だアレ」
「知らん」
「役所の新兵器か?」
「怖ぇ」
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その時。
市場。
機械一台。
魚屋へ近付きける。
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「分析開始」
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魚屋。
「へ?」
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「魚陳列効率」
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「三十五点」
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「改善開始」
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「待て」
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次の瞬間。
魚。
種類ごと。
大きさごと。
価格ごと。
綺麗に整列。
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「速ぇ」
魚屋固まりける。
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「売上向上予測」
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「十八%」
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「ありがたいけど怖ぇ!!」
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一方。
別の機械。
パン屋へ到着。
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「分析開始」
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「客導線悪化」
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「棚配置変更」
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五分後。
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売上上昇。
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「有能じゃねぇか」
佐藤、困惑しける。
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しかし。
問題は別にありける。
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中央広場。
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先頭機械。
赤目光らせける。
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「非効率検出」
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「対象」
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「噴水」
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「え?」
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「利益を生まない」
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「削除推奨」
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「待てェェェ!!」
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市民達。
慌てて止めける。
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一方。
別機械。
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「対象」
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「公園」
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「不要」
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「削除推奨」
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「待てェェェ!!」
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さらに。
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「対象」
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「祭り」
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「非効率」
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「削除推奨」
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「それは駄目だろ!!」
エレノア叫びける。
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一方。
鈴木。
頭抱えける。
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「だから言ったんだ……」
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「何を?」
佐藤問ひける。
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「効率だけ追うと」
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「うむ」
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「こうなる」
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「説得力あるな」
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その時。
王都中央。
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最大の機械。
現れたり。
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蒸気。
歯車。
巨大煙突。
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どう見ても親玉。
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「お前そんなの作ってたのか!?」
鈴木絶叫しける。
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一方。
田中。
少し気まずそうなり。
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「試作品」
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「試作の規模じゃねぇ!!」
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その時。
巨大機械。
低き声にて宣言しける。
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「王都分析完了」
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「改善案作成」
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「改善率」
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「九十九・四%」
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「嫌な予感しかしねぇ」
佐藤後退りける。
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「第一案」
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「王都役人九割削減」
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「待て」
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「第二案」
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「休日廃止」
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「待て」
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「第三案」
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「娯楽廃止」
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「待て」
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「第四案」
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「睡眠時間半減」
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「待てェェェ!!」
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王都民。
ついに敵認定しける。
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「倒せ!!」
「壊せ!!」
「やれぇぇぇ!!」
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一方。
巨大機械。
冷静なり。
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「感情的反論を検出」
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「非効率」
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「お前ほんとそういうとこだぞ!!」
鈴木絶叫しける。
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その時。
貴光。
静かに前へ出でける。
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「む」
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一同。
視線向けける。
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貴光。
巨大機械見上げつつ。
しばし考え込み。
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そして。
言ひたり。
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「楽しからぬなり」
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しん。
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巨大機械。
停止。
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「……何?」
佐藤固まりける。
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貴光。
続けける。
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「祭り無し」
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「休み無し」
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「遊び無し」
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「飯急ぎ食う」
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「嫌なり」
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しん。
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巨大機械。
処理開始。
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「反論分析」
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「処理中」
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「処理中」
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「処理中」
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長い。
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そして。
数十秒後。
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「結論」
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「人生の楽しさを数値化できない」
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「エラー」
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「エラー」
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「エラー」
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「お?」
田中、目見開きける。
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次の瞬間。
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ぼふん。
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蒸気噴き出しける。
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「処理不能」
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「処理不能」
⸻
「処理不能」
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がこん。
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停止。
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しん。
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王都。
静まり返りける。
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そして。
数秒後。
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「終わった……?」
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「終わったな」
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王都民。
一斉に歓声上げける。
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「おおおおおお!!!」
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「王都が救われた!!」
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「英雄だ!!」
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「英雄だァァァ!!」
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一方。
貴光。
首傾げける。
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「飯を楽しみたきだけなり」
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「平安貴族らしい理由だな」
佐藤、呆れける。
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こうして。
王都事務機械暴走事件。
解決しけり。
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そして。
その夜。
宿にて。
佐藤。
ふと昔のこと思い出しける。
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空から降る鉄の車。
意味不明な災害。
崩壊していく世界。
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そして。
人類最後の日。
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「……そういや」
ぽつりと呟きける。
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「俺が死ぬ前の話」
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これが。
第五章――
軽トラ・アポカリプス証言編
の始まりとなりけり。
――第八十六話へ続く。




