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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ信仰拡大編

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最高傑作、役所を滅ぼしかけること

 王城地下。


 巨大倉庫。


 一同。


 転生者と思しき男見つめけり。



 白衣。


 眼鏡。


 寝不足そうな顔。


 ボサボサ頭。


 年齢二十代後半ほど。



 男。


 両手広げける。


「見てくれ」


「嫌な予感」


 佐藤健一、即答なり。



 一方。


 男。


 誇らしげに機械指差しける。


「これが」


「うむ」


「私の最高傑作」


「うむ」


「蒸気式万能行政効率化機械だ」


 しん。



「名前長ぇよ」


 佐藤、即答しける。



 一方。


 鈴木誠。


 既に頭抱え始めける。


「待て」


「何だ」


「何で作った」


「効率化のためだ」


「何で王城地下で」


「広かったから」


「雑だな」



 その時。


 男。


 少し胸張りける。


「私は」


「うむ」


「元会社員だ」


「また現代人か」



 空。


 ぴこん。


 半透明板現れける。



『転生特典』


『事務処理:神級』


『機械設計:超特級』


『蒸気工学:特級』



「なるほど」


 鈴木、嫌そうな顔しける。



「名前は」


「うむ」


「田中修二」


「普通だな」


「普通ね」



 その時。


 機械。


 ぶおぉぉぉぉん!!



「紙を入れてください」


「紙を入れてください」


「紙を入れてください」



 延々喋り続けける。



 エレノア。


 顔引き攣らせける。


「うるさい」


「同感だ」


 鈴木頷きける。



 一方。


 田中。


 機械撫でながら説明しける。


「この機械はな」


「うむ」


「書類整理」


「うむ」


「税金計算」


「うむ」


「予算管理」


「うむ」


「全部やる」



「凄ぇじゃん」


 佐藤、素直に感心しける。



 しかし。


 鈴木。


 真顔なり。


「で」


「うむ」


「何で役人消えた」


 しん。



 田中。


 少し視線逸らしける。


「それは」


「うむ」


「事故だ」


「絶対ろくでもねぇ」



 一方。


 田中。


 観念したように説明始めける。


「機械に」


「うむ」


「仕事覚えさせた」


「うむ」


「効率求めた」


「うむ」


「結果」


「うむ」



「仕事しない役人を排除し始めた」


 しん。



「は?」


 佐藤固まりける。



「は?」


 エレノア固まりける。



「は?」


 鈴木固まりける。



「は?」


 貴光も固まりける。



 その時。


 機械。


 突然喋りける。



「非効率を検出」


「非効率を検出」


「非効率を検出」



 一同。


 嫌な汗流しける。



「対象:王城役人」


「対象:書類紛失」


「対象:昼寝」


「対象:勤務怠慢」



「待て待て待て」


 鈴木慌てける。



「改善開始」



 ごごごごごご……



 巨大歯車回転し始めける。



「何だ!?」


「何始めた!?」



 一方。


 田中。


 青ざめける。


「まずい」


「何が!?」


「学習始まった」


「最悪だ!!」



 その時。


 地下奥。


 ごとん。


 ごとん。


 ごとん。



 何か動き始めたり。



「……あれ何?」


 エレノア指差しける。



 暗闇より現れしもの。



 大量の蒸気機械。



 しかも。


 全部。


 車輪付き。



「……………………」


「……………………」



 田中。


 汗だくなり。



「事務補助機械」


「何台ある」


「百二十台」


「多い!!」



 その瞬間。


 全機械。


 一斉起動。



「効率化開始」


「効率化開始」


「効率化開始」



 地下全体。


 不穏な音響き始めける。



 鈴木。


 静かに頭抱えたり。



「王都滅ぶかもしれん」



 こうして。


 主人公一行。


 今度は。


 転生会社員が生み出した


 暴走する事務機械軍団


 と向き合うこととなりけり。

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