王都、想像よりずっと騒がしいこと
翌朝。
商隊。
出発しけり。
荷馬車五台。
護衛冒険者十数名。
そして。
御池貴光。
佐藤健一。
エレノア・シルヴァリア。
三人なり。
⸻
「平和だな」
佐藤、呟きける。
一方。
周囲。
普通の街道。
普通の商隊。
普通の依頼。
信者無し。
神殿無し。
軽虎教無し。
「平和ね」
エレノアも頷きける。
⸻
その時。
商人頭。
少し笑いける。
「三人とも王都は初めてか?」
「うむ」
「そうだな」
「私はあるけど小さい頃ね」
⸻
一方。
商人。
少し誇らしげなり。
「王都はすごいぞ」
「ほう」
「人口三十万」
「でかいな」
「世界中の物が集まる」
「おお」
「冒険者も多い」
「良きなり」
貴光、少し楽しそうなり。
⸻
三日後。
王都到着。
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「……………………」
「……………………」
一同。
門前で固まりける。
⸻
巨大城壁。
高き塔。
石畳。
無数の人。
馬車。
屋台。
兵士。
商人。
冒険者。
「でっっっっっか」
佐藤、素直な感想漏らしける。
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一方。
貴光。
少し考え込みける。
「都なり」
「いやまあ都なんだけど」
「大ききなり」
「それはそう」
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王都内部。
さらに凄まじきなり。
武器屋。
魔道具屋。
書店。
食堂。
劇場。
市場。
「すげぇ……」
エレノアも少し圧倒されける。
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その時。
前方。
妙な人だかりあり。
「ん?」
一同。
近寄りける。
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中央。
一人の男。
箱の上立ち。
演説しける。
「皆さん!!」
「……政治家か?」
佐藤、呟きける。
⸻
一方。
男。
二十代半ばほど。
眼鏡。
黒髪。
妙に真面目そうな顔。
「この国は変わらねばならない!!」
「政治家だな」
「政治家ね」
⸻
その時。
男。
さらに叫びける。
「週休二日を導入するべきだ!!」
しん。
「……………………」
「……………………」
「え?」
⸻
群衆。
ざわつきける。
「週休?」
「何だそれ」
「二日休む?」
⸻
男。
本気なり。
「働きすぎだ!!」
「急に現代人だ」
佐藤、察しける。
⸻
その瞬間。
空。
ぴこん。
半透明板現れける。
『転生特典』
『行政管理:特級』
『組織運営:特級』
『事務処理:神級』
「転生者だァァァ!!」
⸻
一方。
男。
観衆へ熱弁し続けける。
「有給休暇!!」
「何だそれ!?」
「労働基準!!」
「何だそれ!?」
「福利厚生!!」
「何だそれ!?」
⸻
王都民。
完全混乱。
⸻
一方。
エレノア。
ぽつりと呟きける。
「今度は何なの……」
⸻
その時。
男。
貴光達見つけける。
そして。
一瞬固まりたり。
「……………………」
「……………………」
「日本人?」
しん。
⸻
佐藤。
嫌な予感しける。
「来たな」
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一方。
男。
目輝かせ始めける。
「転生者仲間だァァァ!!」
「始まった」
王都到着初日。
早速。
厄介そうな転生者へ遭遇しけり。




