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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ信仰拡大編

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久々に普通の冒険者をすること

 翌朝。


 古代街道近くの街。


 冒険者ギルド。


 一同。


 報告完了しけり。


「巨大な影の正体は」


「うむ」


「歩く家でした」


 しん。


 受付嬢。


 静かに固まりける。


「……歩く家?」


「歩く家」


「歩く家です」


「歩く家なり」


 貴光まで頷きける。



 数分後。


 依頼達成。


 銀貨三十枚獲得。


「久々にちゃんと稼いだな」


 佐藤健一、満足げなり。


 一方。


 源三。


 報酬袋見つめける。


「宗教絡んでない依頼って素晴らしいな」


「本当にな」


 高橋も深く頷きける。



 その時。


 街の外。


 遠く。


 微かに。


「軽虎様ァァァァァ!!」


「……………………」


「……………………」


 一同。


 聞こえなかったことにしける。



 実際。


 宗重の案により。


 昨夜。


 信者達は完全に別方向へ誘導されていた。


 しかも。


 歩く家の中村大地。


 空飛ぶ家の高橋翔太。


 この二人が協力した結果。


 信者達。


 現在。


 かなり遠くにおりける。


「助かった……」


 エレノア、心底安堵しける。



 一方。


 中村。


 ギルドの椅子に座りつつ呟きける。


「俺」


「うむ」


「旅したかったんだよな」


「おお」


「家ごと」


「そこは変わらないんだな」



 その時。


 高橋。


 少し笑いける。


「歩く家」


「うむ」


「空飛ぶ家」


「うむ」


「被ってるな」


「被ってねぇ」


 中村、即答なり。



 その時。


 受付嬢。


 新しい依頼束持って来たり。


「皆さんなら」


「む?」


「この辺の依頼も受けられると思います」


 一方。


 依頼一覧。


 薬草採取。


 護衛。


 魔獣討伐。


 遺跡調査。


「冒険者っぽい!」


 佐藤、感動しける。



 一方。


 宗重。


 遺跡調査依頼取りける。


「これだな」


「またか」


「何?」


 エレノア問ひける。


 一方。


 宗重。


 地図広げける。


「古戦場跡」


「お前絶対それ選ぶと思った」



 その時。


 ぺ・ヤ。


 別の依頼指差しける。


『山岳地帯の巨大猪討伐』


「これ」


「絶対言うと思った」



 源三。


 さらに別依頼見つけける。


『廃鉱山調査』


「これ面白そう」


「職業病だろ」



 高橋。


 護衛依頼見つめける。


「楽そう」


「その発想で楽だった試しあるか?」



 その時。


 貴光。


 静かに依頼板見つめける。


「……………………」


「何かある?」


 佐藤問ひける。



 貴光。


 一枚の依頼書取りける。


『王都行き商隊護衛』


 しん。


「王都?」


「うむ」


「大きき都なり」


「そうだけど」


「見てみたきなり」


 少し笑み浮かべける。



 一同。


 顔見合わせける。


 そして。


 佐藤。


 少し笑いける。


「それもありだな」


「うむ」


「王都なら色々あるだろうし」


 エレノアも頷きける。



 一方。


 源三。


 王都という単語に反応しける。


「鍛冶屋多そう」


「お前なぁ」



 宗重。


「軍もある」


「お前なぁ」



 ぺ・ヤ。


「肉ある?」


「あるだろうな」



 高橋。


「家停める場所あるかな」


「そこかよ」



 こうして。


 主人公一行。


 久々に。


 宗教でもなく。


 神殿でもなく。


 巡礼でもなく。


 普通の冒険者として。


 王都を目指すこととなりけり。


 そして。


 誰も知らず。


 王都では。


 ある転生者が。


 とんでもない騒ぎを起こそうとしていたのである。

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