冒険者らしい依頼を受けること
森。
昼頃。
一同。
全力疾走中なり。
「軽虎様ァァァァァ!!」
「まだ追って来るのかよォォォ!!」
佐藤健一、半泣きなり。
一方。
後方。
白装束集団。
まだ見えける。
「しつこいな」
源三、呆れ顔なり。
その時。
宗重。
静かに振り返りける。
「数減った」
「減ったのかアレで!?」
⸻
数時間後。
ようやく。
追跡振り切りける。
一同。
街道脇へ座り込みける。
「はぁ……」
「疲れた……」
「もう宗教は嫌だ……」
全員。
珍しく同意しける。
⸻
その時。
前方。
街見えける。
城壁。
門。
市場。
そこそこの規模なり。
「街だ」
「助かった……」
一方。
エレノア。
目輝かせける。
「宿よ!!」
「風呂!!」
「飯!!」
高橋。
「屋根!!」
源三。
「鍛冶屋!!」
宗重。
「城壁!!」
「お前だけ違う!!」
⸻
数十分後。
一行。
街へ入りける。
そして。
最初に向かった場所。
当然。
冒険者ギルドなり。
⸻
ギルド内。
久々に冒険者多し。
依頼板あり。
酒場あり。
受付嬢あり。
「なんか久しぶりだな」
佐藤、しみじみ呟きける。
一方。
エレノア。
依頼板見始めける。
「魔獣討伐」
「護衛」
「採集」
「やっと冒険者っぽい」
⸻
その時。
貴光。
依頼板見つめ。
ぽつりと呟きける。
「懐かしきなり」
「まだ二ヶ月くらいだろ」
⸻
一方。
受付前。
何やら騒ぎ起きける。
「無理だ!!」
「誰も受けん!!」
「命が惜しい!!」
「ん?」
一同。
視線向けける。
⸻
そこには。
困り顔の受付嬢。
そして。
一枚の依頼書。
『緊急』
『銀貨三十枚』
『古代街道調査依頼』
⸻
源三。
目瞬かせける。
「高くね?」
「高いわね」
エレノアも頷きける。
一方。
受付嬢。
説明始めける。
「街の南にある古代街道で」
「うむ」
「夜になると巨大な影が出るんです」
「魔獣?」
「分かりません」
⸻
その時。
周囲の冒険者。
一斉に顔逸らしける。
「絶対嫌だ」
「死ぬ」
「俺まだ結婚してない」
「重いな」
⸻
一方。
ぺ・ヤ。
突然口開きける。
「でかい獣?」
「まだ分からん」
「行く」
「決定早ぇな」
⸻
その時。
宗重。
静かに依頼書見つめける。
「古代街道か」
「何かあるのか?」
「補給路なら重要」
「戦国脳やめろ」
⸻
一方。
高橋。
少し興味持ち始めける。
「古代街道か……」
源三。
「古代文明とかあんのかな」
セシリア。
「調査は嫌いじゃないわね」
⸻
その時。
貴光。
依頼書手に取りける。
「うむ」
「受けるか?」
一同。
少し顔見合わせける。
⸻
そして。
佐藤。
久しぶりに笑いける。
「まぁ」
「うむ」
「冒険者だしな」
「そうね」
⸻
受付嬢。
少し驚きける。
「本当に受けてくださるんですか!?」
「うむ」
「受けるなり」
⸻
こうして。
主人公一行。
久々のまともな冒険者依頼を受けけり。
なお。
この時。
誰一人として知らず。
古代街道の「巨大な影」が、
魔獣でも幽霊でもなく、
また別の厄介な転生者案件であることを。




