軽虎教から逃げること
翌朝。
山田隼人宅。
一同。
出発準備しけり。
一方。
貴光。
黒牛撫でつつ頷きける。
「旅路再開なり」
「ようやくだな……」
佐藤健一、しみじみ呟きける。
⸻
その時。
山田。
めちゃくちゃ嬉しそうな顔なり。
「本当に行くんだな?」
「行く」
「絶対行く」
「今すぐ行く」
一同。
異様な速度で同意しける。
⸻
一方。
高橋。
空飛ぶ家見上げつつ悩みける。
「俺どうしよう」
「来る?」
エレノア問ひける。
一方。
高橋。
少し考え込み。
頷きける。
「行く」
「おお」
「どうせ居場所バレた」
「確かにな」
「もう隠居無理」
「無理だな」
⸻
その時。
遠方。
「軽虎様ァァァ!!」
「御加護をォォォ!!」
「聖殿様ァァァ!!」
「ほら無理だ」
高橋、即答しける。
⸻
数時間後。
一同。
出発しけり。
軽トラ。
牛牽引。
空飛ぶ家。
上空。
宗重。
徒歩。
ぺ・ヤ。
森の中走行。
「いつもの光景だな」
佐藤、呟きける。
⸻
その時。
宗重。
突然立ち止まりける。
「……来る」
「何?」
「後方」
一同。
振り返りける。
そして。
「……………………」
「……………………」
地平線。
白い。
「は?」
⸻
数秒後。
「軽虎様ァァァ!!」
「待ってくださいィィィ!!」
「巡礼再開だァァァ!!」
「付いて来てるゥゥゥ!!」
佐藤、絶叫なり。
⸻
一方。
後方。
数百人規模。
完全に巡礼団なり。
しかも。
旗増えてる。
「増えてる!?」
一方。
旗。
軽トラ描かれける。
「国旗みたいになってる!!」
⸻
その時。
先頭信者。
笑顔で叫びける。
「軽虎様!!」
「何!?」
「どこへ向かわれるので!?」
「知らん!!」
「流石です!!」
「何が!?」
⸻
一方。
セシリア。
頭抱えける。
「駄目だこれ」
「うむ」
源三も頷きける。
「撒くしかない」
⸻
その時。
宗重。
静かに口開きける。
「任せろ」
「嫌な予感」
⸻
三十分後。
宗重作戦開始。
結果。
一同。
森へ突入しける。
さらに。
川渡り。
岩場越え。
獣道利用。
ぐるぐる進みける。
⸻
一方。
信者達。
完全混乱。
「軽虎様どこ!?」
「見失った!!」
「追えェェェ!!」
「宗教団体が追跡部隊になってる!!」
⸻
その頃。
主人公一行。
丘の裏にて休憩しける。
「撒いた……」
佐藤、地面へ倒れ込みける。
一方。
宗重。
静かに頷きける。
「完璧だ」
「珍しく役立った」
「珍しくとは何だ」
⸻
その時。
貴光。
遠くの景色見つめける。
森。
平原。
山脈。
そして。
見知らぬ街道。
「……………………」
少し笑み浮かべける。
「久しぶりなり」
「何が?」
エレノア問ひける。
⸻
貴光。
静かに答えける。
「冒険なり」
しん。
一同。
少し笑いける。
⸻
その時。
遠く。
微かに。
「軽虎様ァァァァァ!!」
「まだ追ってきてるゥゥゥ!!」
一同。
再び走り始めけり。




