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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ信仰拡大編

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主人公一行、ついに現実を見ること

 山奥。


 山田隼人宅。


 一同。


 家の中へ招かれける。


 そして。


「……………………」


「……………………」


 佐藤健一。


 静かに頷きける。


「落ち着く」


「分かる」


 源三も頷きける。


 一方。


 山田宅。


 異常に普通。


 木製机。


 椅子。


 本棚。


 寝床。


 畑。


 水場。


 以上。


 実に平和なり。



 一方。


 山田。


 お茶出しつつ呟きける。


「俺」

「目立ちたくないから」


「うむ」


「家作って」


「うむ」


「畑やって」


「うむ」


「ずっと暮らしてる」


「正常だな」


 佐藤、感動しける。



 その時。


 山田。


 怪訝そうな顔しける。


「逆に聞くけど」


「何?」


「なんでお前らそんなことになってるの?」


 しん。


 一同。


 静止。



 数秒後。


「軽トラが宗教になった」


「は?」


「空飛ぶ家が聖殿になった」


「は?」


「縄文人が賢者扱い」


「は?」


「戦国武将が砦作った」


「は?」


「昭和人が工業革命しかけてる」


「は???」



 一方。


 山田。


 頭抱えける。


「お前ら何してんの」


「俺も知りたい」


 佐藤、即答なり。



 その時。


 外。


「軽虎様ァァァ!!」


「御加護をォォォ!!」


 信者達。


 ついに山の麓まで到達しける。


「来るの早くない?」


 高橋、青ざめける。



 一方。


 山田。


 窓から外見つめ。


 しばらく沈黙しける。


「……………………」


「……………………」


 そして。


「帰れ」


「無理」


「頼む」


「無理」



 その時。


 宗重。


 静かに腕組みしける。


「確かに」


「え?」


「我らがいる限り」


「うむ」


「人が集まる」


 しん。



 一方。


 セシリア。


 珍しく真面目な顔しける。


「それはそうね」


「え?」


「軽虎教」

「空飛ぶ聖殿」

「原始の賢者」


「うん」


「全部ついて来てる」


「うん」


「もう旅するたび増えてる」


「うん」



 一方。


 源三。


 ふと呟きける。


「……そういや」


「む?」


「最近」


「うむ」


「俺達、旅してるというより」


「うむ」


「引き連れてるよな」


 しん。



 一同。


 静かに窓の外見やりける。


 そこには。


 大量の信者。


 屋台。


 巡礼者。


 商人。


 馬車。


 旗。


「……………………」


「……………………」


「……確かに」


 エレノア、顔引き攣りける。



 その時。


 貴光。


 静かにお茶飲みつつ呟きける。


「人多きなり」


「今さら!?」



 一方。


 山田。


 ついに立ち上がりける。


「決めた」


「何を?」


「俺」


「うむ」


「絶対そっち行かない」


「賢明だな」


 佐藤、即答なり。



 その時。


 外。


「軽虎様ァァァ!!」


「聖殿様ァァァ!!」


 さらに。


「原始の賢者様ァァァ!!」


「戦国先生ェェェ!!」


「整備司祭様ァァァ!!」


「肩書増えてる!!」



 一方。


 山田。


 窓閉めつつ呟きける。


「……お前ら」


「うむ」


「早くどっか行け」


「正論だ」


 全員。


 初めて完全一致しけり。


 そして。


 翌日。


 主人公一行は、


 初めて本気で考え始める。


「そろそろこの宗教団体から離れた方が良くないか?」


 と。

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