空飛ぶ家、引っ越し先を探すこと
翌朝。
南方平原。
空飛ぶ家の前。
一同。
朝飯食ひけり。
一方。
高橋翔太。
めちゃくちゃ疲れた顔なり。
「……無理」
「何が?」
佐藤健一、パン齧りつつ問ひける。
一方。
高橋。
窓の外指差しける。
「見ろ」
しん。
一同。
外見やりける。
⸻
そこには。
信者達。
百人以上。
「増えてるゥゥゥ!!」
佐藤、絶叫しける。
一方。
信者達。
空飛ぶ家見上げ。
「空の聖殿様ァァァ!!」
「飛翔神殿様ァァァ!!」
「御加護をォォォ!!」
「名前増えてる!!」
⸻
その時。
高橋。
静かに机叩きける。
「だから引っ越す」
「まぁそうなる」
一方。
源三。
真面目な顔なり。
「空飛べるんだから逃げれば?」
「逃げた」
「え?」
「三回」
「三回!?」
高橋。
疲れ切った顔で続けける。
「移動した」
「うむ」
「翌日来た」
「怖ぇよ!!」
⸻
一方。
セシリア。
呆然と呟きける。
「宗教って怖いね」
「お前教会側だろ」
その時。
宗重。
腕組みしつつ頷きける。
「拠点情報漏れている」
「軍事分析やめろ」
一方。
宗重。
真面目な顔で続けける。
「行商人」
「旅人」
「巡礼者」
「全員情報源」
「確かに」
⸻
その時。
高橋。
突然立ち上がりける。
「よし」
「む?」
「今日引っ越す」
「また!?」
一方。
高橋。
真顔なり。
「今度こそ誰も来ない場所へ行く」
「どこ?」
「山」
「フラグだな」
佐藤、即答しける。
⸻
数時間後。
空飛ぶ家。
再び浮上しける。
ごごごご……
「相変わらず意味分かんねぇ」
源三、呆然なり。
一方。
高橋。
二階ベランダより手振りける。
「じゃあなー」
「達者でなー」
その時。
信者達。
一斉に叫びける。
「聖殿様ァァァ!!」
「行かないでぇぇぇ!!」
「追うなよ!?」
⸻
しかし。
数分後。
信者達。
何故か歩き始めける。
「……………………」
「……………………」
佐藤。
嫌な予感しける。
「……何してる」
一方。
先頭信者。
当然のように答えける。
「巡礼です」
「は?」
「聖殿様を追います」
「追うなァァァ!!」
⸻
結果。
空飛ぶ家。
空。
その下。
大量の信者。
徒歩。
さらに。
軽トラ。
牛牽引。
巡礼団。
「何だこの光景」
エレノア、頭抱えける。
一方。
高橋。
上空から見下ろし。
固まりける。
「……………………」
「……………………」
「なんで付いて来てるの?」
「俺らも知りたい」
⸻
その夜。
山麓。
空飛ぶ家着陸しける。
高橋。
ほっと一息つきける。
「やっと静かに暮らせる……」
その時。
遠く。
「聖殿様ァァァ!!」
「御加護をォォォ!!」
「来てるゥゥゥ!!」
信者達。
普通に到着しける。
⸻
一方。
高橋。
静かに空見上げける。
「……俺」
「うむ」
「転生先間違えたかな」
「今さらだな」
佐藤、真顔で答えける。
その瞬間。
ぺ・ヤ。
山見つめつつぽつりと呟きける。
「向こう」
「む?」
「人いる」
しん。
一同。
反応しける。
「人?」
「転生者か?」
一方。
ぺ・ヤ。
静かに頷きける。
「変な臭い」
「また来るのかよ!!」
こうして。
新たな転生者との遭遇、
近づきつつありけり。




