軽虎教、勝手に組織化されること
鉄虎砦。
朝。
一同。
眠そうな顔にて外出でけり。
そして。
「……………………」
「……………………」
佐藤健一。
静かに扉閉めける。
「見なかったことにしよう」
「無理よ」
エレノア・シルヴァリア、肩掴みける。
一方。
砦前。
完全に増築されける。
木製門。
白布。
旗。
そして。
巨大看板。
『軽虎教本部』
「本部できてるゥゥゥ!!」
佐藤、絶叫しける。
⸻
一方。
信者達。
めちゃくちゃ真面目なり。
「本日の祈祷開始します!!」
「始めるな!!」
その時。
太鼓。
どんっ。
どどんっ。
さらに。
ラッパまで鳴り始めける。
「音楽隊までいる!?」
一方。
セシリア。
窓から顔出し。
眠そうに呟きける。
「朝から元気だねぇ……」
「聖女が他人事!!」
⸻
その時なり。
白装束男――
軽虎教初代司祭(自称)。
前へ出でける。
「皆様!!」
「やめろその立場!!」
一方。
司祭男。
軽トラへ向かい両手広げける。
「昨日!!」
「聖女様と軽虎様が共鳴されました!!」
「してねぇよ!!」
セシリア、即答なり。
しかし。
信者達。
「おおおおお!!!」
完全に聞いておらず。
「これは神託!!」
「正式に教会へ認められたのだ!!」
「勝手に公認化するなァ!!」
⸻
一方。
真田宗重。
腕組みしつつ状況見やりける。
「組織化早いな」
「分析すな!!」
その時。
宗重。
妙に真面目な顔しける。
「だが」
「統率構造は雑」
「お前ほんとそういうとこだぞ」
一方。
田所源三。
軽トラ下入りつつ呟きける。
「昭和の町工場より勢いあるな」
「比較対象がおかしい」
⸻
その瞬間。
ぺ・ヤ。
供物山へ直行しける。
「魚ある」
「またか!!」
一方。
信者達。
ざわつき始めける。
「原始の賢者様が……」
「供物を選ばれている……!」
「違う」
「腹減ってるだけ」
佐藤、即答なり。
しかし。
既に数人。
ぺ・ヤへ魚献上し始めける。
「どうぞ賢者様!!」
「良い人」
「懐柔された!!」
⸻
その時なり。
貴光。
縁側座り。
団子食ひつつ呟きける。
「祭りの如しなり」
「長期化してる祭りなんだよなぁ……」
一方。
軽トラ。
今日も朝日反射し。
ぴかーっ。
「おおおおお!!!」
「もう反射だけで盛り上がるな!!」
⸻
その時。
砦入口側。
また新たな馬車現れける。
「……今度は何?」
エレノア、嫌そうな顔なり。
一方。
降りて来たるは。
豪華服着し商人達。
しかも。
大量の木箱抱えける。
「軽虎教様へ!!」
「献上品を!!」
「教扱いすな!!」
一方。
商人頭。
真顔にて続けける。
「軽虎教関連商品」
「飛ぶように売れております!!」
「終わった」
佐藤、顔覆ひける。
その時。
商人。
木箱開けける。
中。
大量の木彫り軽トラ。
「何これ」
「軽虎像です」
「売るなァァァ!!」
⸻
一方。
セシリア。
その木彫り見つめ。
「……地味に出来いいな」
「聖女まで感心するな!!」
その時。
源三。
木彫り持ち上げ。
真顔にて呟きける。
「荷台部分ちゃんと再現してる」
「お前も見るな!!」
⸻
夕方。
鉄虎砦。
完全に祭り会場化しけり。
屋台。
信者。
祈祷。
木彫り。
護符。
そして。
軽トラ。
中央に鎮座。
一方。
佐藤。
遠い目しつつ呟きける。
「……これもう」
「誰か止められるのか?」
その時。
宗重。
静かに空見上げける。
「勢いづいた民は止まらぬ」
「急に戦国時代の重み出すな」
一方。
ぺ・ヤ。
焼き魚食ひながら当然のように呟きける。
「魚うまい」
「お前だけずっと平常運転なんだよ!!」




