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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ信仰拡大編

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聖教会、思ったより俗っぽいこと

 翌日。


 鉄虎砦。


 朝。


 外。


 めちゃくちゃ騒がしきなり。


「軽虎様ァァァ!!」

「今日も光っておられる!!」


「だから朝日だって!!」


 佐藤健一、既に疲弊し切りける。


 一方。


 軽トラ。


 ぴかーっ。


「おおおおお!!」


「反応速度どうなってんだよ!!」



 その時なり。


 街道側。


 豪華馬車一台、近づき来たり。


 白金装飾。


 十字紋。


 さらに。


 妙に偉そうな護衛達。


「あっ」


 エレノア・シルヴァリア、顔引き攣らせける。


「教会来たわ」


「終わったァ……」


 一方。


 真田宗重。


 静かに護衛人数確認しける。


「十五」

「統率悪い」


「軍事分析やめろ」


 その時。


 馬車扉。


 ばたんっと開きける。


 現れしは。


 白法衣。


 銀髪。


 細身。


 そして。


 めちゃくちゃ眠そうな女なり。


「……………………」


「……………………」


 女。


 欠伸しける。


「ふぁ〜……」


「えっ」


 一方。


 司祭らしき女。


 ぼさぼさの髪整えつつ呟きける。


「遠いんだけどここ……」


「俗っぽ!!」


 佐藤、思わず叫びける。


 その時なり。


 護衛騎士、慌てて咳払いしける。


「セシリア様」

「威厳を……」


「だって朝早いし」


「緊張感がねぇ!!」



 一方。


 セシリア。


 軽トラ見つけける。


「……………………」


「……………………」


 数秒停止。


 そして。


「……何これ」


「正常な反応来たァァァ!!」


 佐藤、感動しける。


 一方。


 セシリア。


 軽トラ周囲ぐるぐる回り始めける。


「馬いない」

「魔力反応薄い」

「でも壊れない」


「おっ」


 源三。


 少し嬉しそうなり。


「分かるか!?」


「うん」

「気持ち悪い」


「気持ち悪い!?」


 その時。


 信者達。


 一斉にざわつき始めける。


「おお……」

「聖女様が鉄虎様を……」


「聖女?」


 一方。


 セシリア。


 面倒そうに頷きける。


「一応そう」


「一応!?」


 その瞬間。


 信者一人。


 突然叫びける。


「聖女様!!」

「軽虎様は神獣ですよね!?」


「違うと思う」


「即答!!」


 一方。


 セシリア。


 軽トラぺちぺち叩きつつ呟きける。


「これただの乗り物でしょ」


「やっとまともな人だ……」


 佐藤、涙目なり。


 しかし。


 その時。


 軽トラ。


 太陽光反射し。


 ぴかーっ。


 さらに。


 風。


 ぶわっ。


 セシリアの髪、ふわりと揺れける。


「おおおおおお!!!」


「聖女様と軽虎様が共鳴したァァァ!!」


「してねぇよ!!」



 一方。


 ぺ・ヤ。


 セシリアじーっと見つめける。


「白い」


「第一印象それ?」


 その時。


 セシリア。


 ぺ・ヤ見つめ返し。


「……誰?」


「縄文人」


「???」


「説明すると長い」


 一方。


 宗重。


 セシリアの護衛見つめつつ呟きける。


「鎧軽いな」


「また始まった」


 その時。


 セシリア。


 突然、軽トラ運転席開けける。


「えっ」


「待っ――」


 セシリア。


 中覗き込み。


「……………………」


「……………………」


「鍵穴ないんだけど」


「そこなんだよォォォ!!」


 一同、全力で叫びける。



 数分後。


 セシリア。


 完全に軽トラ調査モード入りける。


「意味分かんない」

「何これ」

「どう動くの」


 一方。


 源三。


 目輝かせ始めける。


「だろ!?」


「分かる!?」

「エンジンあるのに鍵ねぇんだよ!!」


「怖……」


「怖いのは俺もなんだよ!!」


 その時。


 貴光。


 当然のように頷きける。


「牛引けば動くなり」


「お前は黙ってろ!!」



 そして。


 その夜。


 セシリア。


 砦宿泊決定しける。


「調査終わるまで泊まる」


「えっ」


「軽トラ気になるし」


「軽トラ研究会始まったな……」


 一方。


 外。


「軽虎様ァァァ!!」


 信者達。


 まだ騒ぎ続けける。


 セシリア。


 窓からそれ見つめ。


 ぽつりと呟きける。


「……なんで宗教になったのこれ」


「俺が一番知りてぇよ……」

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