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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ信仰拡大編

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軽虎信仰、爆誕すること

 鉄虎砦。


 朝。


 快晴。


 一方。


 砦入口。


 妙な列形成されける。


「……………………」


「……………………」


 佐藤健一、眠そうな顔で外見やりける。


「……何あれ」


 一方。


 列の先頭。


 老婆一人。


 両手合わせ。


 軽トラ拝み始めける。


「軽虎様……」

「どうか腰痛を……」


「宗教化したァァァ!!」


 佐藤、絶叫しける。


 一方。


 後ろ。


 農民達まで並び始めける。


「今年豊作になりますように……」

「魔獣来ませんように……」


「完全に神社じゃねぇか!!」


 その時なり。


 貴光。


 当然のように頷きける。


「信仰集まりしなり」


「受け入れるな!!」


 一方。


 軽トラ。


 朝日反射し。


 ぴかーっ。


「おおおおお!!」

「光ったァァァ!!」


「ただの反射!!」


 その時。


 田所源三。


 真顔にて軽トラ周囲確認しける。


「……いや」

「今日ツヤいいな」


「お前まで乗るな!!」


 一方。


 真田宗重。


 腕組みしつつ列見やりける。


「士気向上には使える」


「軍利用やめろって!!」


 その時なり。


 ぺ・ヤ。


 列へ割り込み。


 供え物持って行こうとしける。


「肉ある」


「供物盗るな!!」



 昼頃。


 鉄虎砦周辺。


 さらに状況悪化しけり。


「軽虎饅頭だよー!!」

「鉄虎守り売ってるよー!!」


「なんでグッズ化してんだよ!!」


 エレノア・シルヴァリア、頭抱えける。


 一方。


 商人達。


 完全に商機見出しける。


「軽虎様御利益札!!」

「魔除け木札!!」


「止めろォ!!」


 その時。


 佐藤。


 ある屋台見つけ。


 固まりける。


「……………………」


「……………………」


 看板。


『軽虎教入信受付』


「教団できてるゥゥゥ!!」


 一方。


 受付人。


 真顔なり。


「入信すると豊作率上がるそうです」


「嘘つけ!!」


 その時。


 農民一人、真顔にて頷きける。


「でも本当に畑良くなったし……」


「ぺ・ヤ効果だよ!!」


 一方。


 ぺ・ヤ。


 遠くで肉焼きける。


「肉うまい」


「元凶そこじゃねぇ!!」



 その夜。


 砦会議。


 空気重し。


「……どうする」


 佐藤、疲れ切った顔なり。


 一方。


 宗重、静かに頷きける。


「統制必要」


「軍事国家みたいな言い方やめろ」


 一方。


 源三。


 工具弄りながら呟きける。


「でもまぁ」

「人集まるのは悪くねぇ」


「昭和商店街感覚やめろ」


 その時。


 レオル・ホル・シルペーニャ、深き溜息つきける。


「王都にも噂が届き始めている」


 しん。


「え?」


「“鉄の神獣を祀る砦”として」


「終わった」


 一方。


 エレノア、顔青ざめける。


「待って」

「それ絶対教会とか来るやつじゃない!?」


 その時。


 外。


「軽虎様ァァァ!!」


「御加護をォォォ!!」


 謎の祈り声響きける。


 一方。


 貴光。


 静かに茶すすりつつ呟きける。


「人気者なり」


「だから原因お前だからなァァァ!!」



 そして。


 その頃。


 王都。


 巨大聖堂内部。


 一人の司祭。


 報告書読みつつ眉ひそめける。


『鉄虎信仰』

『原始の賢者』

『不壊の鉄車』


「……………………」


「……………………」


 司祭。


 静かに呟きける。


「……異端か」


 蝋燭の火。


 ゆらりと揺れけり。

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