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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
転生者時代戦争編

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戦国武将、初陣を始めること

 夕暮れ。


 街外れ。


 御池貴光一行の“家”。


 否。


 もはや簡易要塞と化しける場所。


 そこへ。


 巨大魔獣、突撃し来たりけり。


「ギャオォォォォ!!」


 四足。


 灰色毛皮。


 牙は剣めき。


 体長は馬車二台分ほど。


 しかも。


 異様に速し。


「うわ速ッ!?」


 佐藤健一、顔青ざめける。


 一方。


 王国兵士達、完全混乱状態なり。


「隊列組め!!」

「槍構えろ!!」

「落ち着けェ!!」


 されど。


 魔獣速度、凄まじく。


 兵士達の恐怖、明らかに勝りける。


「駄目だ!!」

「止まらん!!」


 その時なり。


 真田宗重。


 静かに前へ出でける。


「……散るな」


 低き声なり。


 されど。


 不思議と響きける。


「盾前」

「槍後」

「高所射撃」


 兵士達。


 一瞬、動き止まりける。


「え……」


 一方。


 宗重。


 迷い一切無し。


「死にたくなくば従え」


 しん。


 空気変わりける。


 次の瞬間。


 兵士達。


 無意識に動き始めたり。


「た、盾前!!」

「槍後列!!」

「弓上だ!!」


「統率力高ぇなオイ!?」


 佐藤、困惑しける。


 一方。


 宗重。


 軽トラ前へ立ちける。


「鉄車出せ」


「マジで使うの!?」


 その時。


 貴光。


 当然のように頷きける。


「牛車なり」


「そこはいいから押せ!!」


 黒牛二頭。


 もぉー!!


 軽トラ押し出し始めける。


 ぎぃ……


 ぎぃ……


 一方。


 魔獣。


 一直線に突撃し来たり。


「ギャオォォ!!」


 その瞬間。


 宗重。


 叫びける。


「今!!」


 どごぉぉぉん!!!


 魔獣。


 軽トラ正面激突。


「……………………」


「……………………」


 一方。


 軽トラ。


 ぴくりとも動かず。


 魔獣の方が吹き飛びける。


「は?」


 兵士達、完全停止。


 一方。


 宗重。


 目見開きける。


「……本当に壊れぬのか」


「今そこ感動するとこ!?」


 その時。


 ぺ・ヤ。


 櫓上より飛び降りける。


 どんっ!!


「速ッ!?」


 ぺ・ヤ。


 石槍構え。


 魔獣側面へ突撃しける。


「うぉぉぉ!!」


 石槍。


 どすっ。


「ギャアアッ!!」


 されど。


 致命傷には至らず。


 魔獣、暴れ始めける。


 その瞬間。


 宗重、即座に指示飛ばしける。


「左足狙え!!」

「転ばせろ!!」


 兵士達。


 半ば反射的に従ひける。


 槍。


 矢。


 一斉集中。


 どすっ!!

 ばしゅっ!!


 魔獣。


 体勢崩しける。


「今だ」


 宗重。


 火縄銃構えける。


 ごぉんっ!!


 轟音。


 煙。


 魔獣片目、吹き飛びける。


「おおおお!?」


 兵士達、どよめきたり。


 一方。


 宗重。


 静かに呟きける。


「視界潰せば獣は鈍る」


「戦い方がリアル!!」


 エレノア、若干引き気味なり。


 その時なり。


 魔獣。


 怒り狂い。


 再び軽トラへ突撃しける。


「ギャオォォォ!!」


 一方。


 宗重。


 にやりと笑ひける。


「よし」


「何がよしなんだよ」


 次の瞬間。


 魔獣。


 軽トラ横通過。


 そして。


 ずぼぉぉっ!!


「え?」


 突然地面崩れ。


 巨大落とし穴発動しける。


「……………………」


「……………………」


 一方。


 ぺ・ヤ。


 当然のように頷きける。


「昨日掘った」


「昨日!?」


 佐藤、絶叫しける。


 魔獣。


 穴底落下。


 完全に動き止まりける。


 しん。


 一方。


 宗重。


 ゆっくりぺ・ヤ見やりける。


「……良い罠だ」


「良い狩場」


 二人。


 初めて少し笑み交わしける。


「うわ」

「価値観近い奴らが繋がった」


 佐藤、顔引き攣らせける。


 その時。


 王国兵士達。


 ざわざわし始めける。


「何だあの連携……」

「即席とは思えん……」

「戦場経験者か?」


 一方。


 宗重。


 軽トラ見つめつつ呟きける。


「この鉄車」

「やはり強い」


「だから兵器扱いするなって!!」


 その瞬間。


 遠く。


 街側。


 人々集まり始めける。


「魔獣倒したぞ!!」

「街守ったんだ!!」


 ざわめき。


 歓声。


 そして。


 誰か、ぽつりと呟きける。


「……鉄虎砦だ」


「は?」


「鉄虎砦……!」


 次の瞬間。


 周囲、一斉に騒ぎ始めける。


「鉄虎砦!!」

「魔獣迎撃拠点!!」

「守護砦だ!!」


「名前ついたァァァ!!」


 一方。


 貴光のみ、静かに頷きける。


「良き館なり」


「もう誰も止まんねぇ!!」

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