戦国武将、現代建築を見て困惑すること
シルペーニャ領。
夕刻。
御池貴光一行、ようやく自宅へ戻りけり。
「疲れた……」
佐藤健一、荷台へ倒れ込みける。
「魔導学会」
「農業革命」
「縄文教育」
「情報量が濃すぎるのよ」
エレノア・シルヴァリア、深き溜息つきける。
一方。
ぺ・ヤ。
普通について来ておりける。
「火、使える家?」
「勝手に住むな」
その時なり。
街外れの空。
ぴかぁぁぁっ!!
「またァ!?」
佐藤、即座に立ち上がりける。
巨大なる光柱。
空裂き現れけり。
どごぉぉぉ……
風荒れ。
黒牛達、一斉に警戒しける。
「もぉー!!」
一方。
ぺ・ヤ。
静かに空見上げける。
「また人」
「分かるの!?」
「臭い違う」
「基準が動物なんだよなぁ……」
数分後。
一行、光柱地点へ辿り着きけり。
そこには。
一人の男、膝付きたり。
甲冑。
羽織。
二本差し。
腰には古びた火縄銃。
鋭き眼光。
いかにも戦国武将めきし男なり。
「……………………」
「……………………」
男。
ゆっくり顔上げける。
「……ここは何処ぞ」
低く響く声なり。
一方。
貴光、静かに頷きける。
「異界なり」
「異界……」
男、周囲見回し。
そして。
軽トラ見つけける。
「……………………」
数秒停止。
「……鉄の馬車?」
「牛車なり」
「違ぇだろ」
佐藤、即答しける。
その時なり。
男、ゆっくり立ち上がりける。
「我が名は」
「真田宗重」
「戦国武将来たァ!!」
佐藤、頭抱えける。
一方。
真田宗重。
軽トラ周囲ぐるりと回り始めける。
「車輪四つ……」
「されど馬おらぬ……」
「牛いるなり」
「横だろうが!!」
その時。
宗重。
突然、自宅見つめける。
「……………………」
「む?」
「……この建築」
「え?」
宗重、怪訝そうな顔しける。
「屋根浅い」
「壁薄い」
「防御弱い」
「第一声が軍事評価!?」
一方。
宗重。
真顔のまま続けける。
「矢防げぬ」
「火攻め弱い」
「籠城不向き」
「家だよ!?」
エレノア、困惑しける。
その時。
ぺ・ヤ。
宗重じーっと見つめける。
「強い」
「む?」
「群れ守る顔」
宗重。
初めて少し笑み浮かべける。
「……そなた」
「良き狩人だな」
「おっ」
一方。
佐藤。
嫌な予感し始めける。
「待て」
「価値観近い奴来たぞ」
その瞬間。
宗重。
軽トラ荷台こんこん叩きける。
「これは」
「兵糧運搬に使えるな」
「始まった!!」
佐藤、絶叫しける。
一方。
宗重、完全に戦国脳なり。
「頑丈」
「大量輸送可能」
「道具として優秀」
「お前まで軽トラに脳焼かれるな!!」
その時なり。
空。
ぴこん。
半透明の板、出現しける。
『転生特典』
『軍略:特級』
『統率:極』
『白兵戦技術:達人級』
「おお……」
宗重、静かに頷きける。
「戦える」
「適応早ぇな!?」




