原始の賢者、教育を受けること
シルペーニャ領主館。
朝。
大会議室。
魔導師達、未だ沈んだ空気纏ひけり。
「……………………」
「……………………」
一方。
ぺ・ヤ。
机の上で木の実割りける。
ごんっ。
「会議机でクルミ砕くな!!」
佐藤健一、即座にツッコミける。
その時なり。
レオル・ホル・シルペーニャ、深き溜息つきける。
「……決めた」
「む?」
「教育する」
「え?」
レオル、びしっとぺ・ヤ指差しける。
「最低限の文明知識を叩き込む!!」
「おお」
エレノア・シルヴァリア、少し安心した顔しける。
「やっとまともな方向に」
一方。
ぺ・ヤ。
真顔なり。
「文明、必要?」
「必要だよ!!」
全員、即答しける。
数時間後。
特別授業開始されけり。
一方。
黒板。
文字。
本。
机。
完全に学校状態なり。
「ではまず」
「貨幣について――」
教師役魔導師、金貨掲げける。
「これは?」
一方。
ぺ・ヤ。
真顔にて答えける。
「丸い石」
「終わってる!!」
その時。
教師、必死に説明し始めける。
「これは交換価値を――」
「肉の方が強い」
「概念が通じねぇ!!」
一方。
ぺ・ヤ。
本ぱらぱらめくり始めける。
「木」
「いっぱい絵」
「文字だよ!!」
佐藤、叫びける。
その時。
教師、汗だくになりつつ続けける。
「では次」
「文明において重要なのは協調性――」
ぺ・ヤ。
静かに頷きける。
「群れ大事」
「おっ」
「弱い奴死ぬと困る」
「急にまとも!?」
一方。
ぺ・ヤ。
当然のように続けける。
「だから肉分ける」
しん。
農民達、じーんと感動し始めける。
「なんと慈愛深い……」
「群れを守る思想……!」
「縄文式生存戦略だぞそれ」
佐藤、真顔なり。
その時なり。
教師、次の教材取り出しける。
「では鏡です」
ぺ・ヤ。
鏡見つめ。
「……………………」
「……………………」
数秒後。
「中に人いる」
「やっぱり!!」
エレノア、吹き出しける。
一方。
ぺ・ヤ。
鏡裏確認し始めける。
「出てこない」
「可愛いなコイツ……」
その時。
教師、若干調子乗り始めける。
「では最後に」
「魔導理論について――」
「やめろ」
佐藤、即察しける。
しかし遅し。
教師、魔法陣描き始めける。
「魔力は術式を通して――」
一方。
ぺ・ヤ。
じーっと見つめける。
「面倒」
「は?」
「火、大きくすれば良い」
「ダメだコイツ!!」
その瞬間。
ぺ・ヤ。
指ぱちん。
ぼっ。
「待――」
ごぉぉぉぉぉ!!
教室天井付近。
巨大火球出現しける。
「またァァァ!!」
教師達、一斉に防御魔法展開。
「水!!」
「遮断!!」
「窓開けろ!!」
一方。
ぺ・ヤ。
きょとんとしける。
「暖かい」
「教室で焚き火するな!!」
数分後。
授業終了。
教師達、すすだらけなり。
「……………………」
「……………………」
レオル、疲れ切った顔で呟きける。
「……教育」
「無理では?」
一方。
ぺ・ヤ。
黒焦げ教科書見つめつつ頷きける。
「火、強い」
「そこだけは理解してるんだよなぁ……」




