原始の賢者、領民に崇拝され始めること
シルペーニャ領。
北部農地。
数週間後。
「……………………」
「……………………」
領民達。
畑見つめたまま固まりける。
一方。
以前まで痩せ細りし土地。
現在。
作物ぎっしり育ちけり。
「育ち方おかしくない!?」
佐藤健一、思わず叫びける。
一方。
農民達、震える声漏らしける。
「水持ちが違う……」
「虫害減ってる……」
「土柔らかい……」
その時なり。
ぺ・ヤ。
畑の土いじりながら頷きける。
「良い土」
「何したのよ本当に」
エレノア・シルヴァリア、困惑しける。
一方。
ぺ・ヤ、当然のように答えける。
「燃やした」
「魚埋めた」
「葉っぱ混ぜた」
「雑!!」
しかし。
老農民一人、顔青ざめける。
「……いや」
「理屈は通ってる」
「え?」
「灰で土戻してる……」
「魚で肥料……」
「腐葉土まで……」
しん。
佐藤、ゆっくりぺ・ヤ見やりける。
「……縄文人ってそこまでやるの?」
一方。
ぺ・ヤ。
真顔なり。
「腹減る」
「だから考える」
「全部そこ帰着するな!!」
その時。
遠くより悲鳴響きける。
「魔獣だァァァ!!」
「また!?」
一同、森側振り返りける。
そこには。
巨大猿型魔獣。
畑荒らしながら突撃しける。
「グギャァァ!!」
農民達、悲鳴上げ逃げ惑ひたり。
「畑が!!」
「作物ォ!!」
一方。
ぺ・ヤ。
静かに立ち上がりける。
「……………………」
「……………………」
次の瞬間。
ぺ・ヤ。
地面蹴り。
どんっ!!
「速ッ!?」
佐藤、目見開きける。
ぺ・ヤ。
石槍片手に突撃し。
猿魔獣の進路先へ石投げ始めける。
かつん。
かつん。
「何してるの?」
エレノア、怪訝そうな顔しける。
その瞬間。
猿魔獣。
突然転倒。
「グガッ!?」
どごぉぉん!!
地面へ激突しける。
「……………………」
「……………………」
一方。
ぺ・ヤ。
当然のように頷きける。
「足場悪くした」
「地味ッ!!」
されど。
魔獣、完全転倒。
そこへ。
ぺ・ヤ。
石槍どすっ。
終了。
しん。
農民達。
完全停止しける。
「……………………」
「……………………」
農民一人、震える声漏らしける。
「……自然を操っておられる」
「違う」
「地面利用しただけ」
佐藤、即答なり。
しかし。
既に遅し。
領民達、一斉に膝付き始めける。
「原始の賢者様……!」
「大地の導き手……!」
「森と語る御方……!」
「また始まったァ!!」
一方。
ぺ・ヤ。
全く理解しておらず。
猿魔獣解体し始めける。
「肉いっぱい」
「そこしか考えてねぇ!!」
その時。
レオル・ホル・シルペーニャ、遠い目しつつ呟きける。
「……これ」
「もう宗教になるのでは?」
一方。
貴光のみ、静かに頷きける。
「賢き狩人なり」
「お前も妙に相性良いんだよ!!」




