原始の賢者、魔導学会を破壊すること
数日後。
シルペーニャ領主館。
大広間。
異様なる緊張漂ひけり。
「……………………」
「……………………」
一方。
中央席。
ぺ・ヤ、焼き魚食ひける。
「うまい」
「なんで会議中に焼いてるの!?」
佐藤健一、即座にツッコミける。
その時なり。
老魔導師、咳払いしける。
「本日は」
「アレン・ホル・シルペーニャ様の魔導理論について――」
「理論ないぞ」
佐藤、即答なり。
一方。
魔導師達、真剣そのものなり。
「いや、逆に存在しないのが問題なのだ」
「無詠唱」
「無圧縮」
「無属性制御」
「全部無い!!」
エレノア・シルヴァリア、困惑しける。
その時。
若き魔導師一人、立ち上がりける。
「……失礼ながら」
「本当に魔法を理解しておられるのですか?」
一方。
ぺ・ヤ。
魚食ひながら首傾げける。
「火」
「え?」
「熱い」
「会話成立しねぇ!!」
その時。
別の魔導師、机叩きける。
「ですが!!」
「結果として超高位魔法が成立している!!」
「そこが怖いんだよ」
一方。
レオル・ホル・シルペーニャ、頭抱えける。
「頼むから館燃やすなよ……」
その時なり。
学会長らしき老魔導師、静かに口開きける。
「では」
「簡単な実演を」
「嫌な予感」
佐藤、即答しける。
一方。
魔導師達、中庭へ移動し始めける。
数十分後。
中庭。
魔導実験場設置されけり。
魔導師達、次々と魔法披露し始めける。
「火球術」
「氷結槍」
「風刃」
どぉん。
ばしゅっ。
「おおー」
エレノア、素直に感心しける。
一方。
ぺ・ヤ。
真顔にて見つめける。
「小さい」
「やめろ」
佐藤、察しける。
その時。
学会長、誇らしげに言ひける。
「これが現代魔導理論の結晶――」
ぺ・ヤ。
突然前出でける。
「火」
「待て」
「大きくする」
「待てェェェ!!」
次の瞬間。
ごぉぉぉぉぉぉ!!!!
空。
炎柱突き抜けける。
「は?」
熱波。
館全体揺れ。
雲焼け。
庭木蒸発しける。
「止めろォォォ!!」
魔導師達、一斉に防壁展開。
「水魔法!!」
「遮断!!」
「結界急げ!!」
一方。
ぺ・ヤ。
真顔なり。
「火」
「大きい」
「だから加減しろって!!」
数分後。
なんとか鎮火成功しける。
中庭。
クレーター形成されけり。
「……………………」
「……………………」
学会長。
震える膝で立ち上がりける。
「……理解不能」
別の魔導師、顔青ざめける。
「術式構築ゼロ……」
「なのに超位階魔法……」
「原始魔術だ……」
「災害だろ」
佐藤、真顔なり。
その時なり。
ぺ・ヤ。
地面の焼け跡見つめ。
少し考え込みける。
「焼畑できる」
しん。
農民達。
ざわっ。
「……………………」
「……………………」
レオル、ゆっくり顔覆ひける。
「頼むから」
「農業革命まで起こすな……」




