縄文罠、領地を救うこと
シルペーニャ領。
森周辺。
近頃。
魔獣被害、激減しけり。
「また罠だ!!」
「猪落ちてるぞ!!」
「鹿まで捕れてる!!」
領民達、ざわつき始めける。
一方。
ぺ・ヤ。
木の上座りつつ干し肉食ひける。
「良い森」
「完全に森の主なのよ」
佐藤健一、遠い目しける。
その時なり。
領兵一人、慌てて駆け込みける。
「レオル様!!」
「何だ!?」
「北側畑地帯!!」
「巨大魔獣が!!」
しん。
レオル・ホル・シルペーニャ、顔青ざめける。
「またか……」
一方。
ぺ・ヤ。
静かに立ち上がりける。
「行く」
「え?」
「腹減る前に狩る」
「理由が食料基準!!」
数十分後。
北畑地帯。
そこには。
巨大なる牙熊型魔獣、暴れ回りける。
「グォォォォ!!」
畑破壊。
柵粉砕。
領兵達、完全に押され気味なり。
「強すぎる!!」
「矢が通らん!!」
一方。
ぺ・ヤ。
草むらしゃがみ込み。
じーっと魔獣観察しける。
「……………………」
「……………………」
エレノア・シルヴァリア、小声で呟きける。
「……何してるの?」
「多分考えてる」
その時。
ぺ・ヤ、突然地面掘り始めける。
「えっ」
「掘る」
「今!?」
数分後。
謎の穴完成。
その上へ枝と葉っぱ被せ始めける。
「いや待て」
「それただの落とし穴――」
ぺ・ヤ。
突然立ち上がり。
「うぉぉぉぉ!!!」
石斧振り回しながら魔獣へ突撃しける。
「行くなァァァ!!」
佐藤、絶叫しける。
一方。
牙熊魔獣、激怒。
「グォォォォ!!」
ぺ・ヤ追走開始。
そして。
ぺ・ヤ。
直前でぴょんっと回避しける。
次の瞬間。
ずぼぉぉっ!!
魔獣。
綺麗に落とし穴落下しける。
「……………………」
「……………………」
しん。
一方。
ぺ・ヤ。
穴覗き込み。
石槍構えける。
「終わり」
どすっ。
「グォ……」
終了。
領兵達。
完全停止しける。
「……………………」
「……………………」
領兵隊長、震える声漏らしける。
「……これだけ?」
「うむ」
ぺ・ヤ、当然のように頷きける。
「強い獣」
「でも重い」
「だから落ちる」
「シンプルすぎる!!」
一方。
老魔導師、顔青ざめける。
「魔導理論を使わず……」
「地形だけでS級魔獣を……」
「古代知識……!」
「違う」
「経験則だ」
佐藤、真顔なり。
その時。
領民達、一斉にざわつき始めける。
「原始の賢者様だ……!」
「森を読む御方……!」
「自然と対話しておられる……!」
一方。
ぺ・ヤ。
真顔にて魔獣見下ろしける。
「肉いっぱい」
「そこなんだよなぁ……」




