縄文人、発覚すること
シルペーニャ領主館。
応接室。
アレン・ホル・シルペーニャ、椅子へ縄で縛られけり。
「……………………」
「……………………」
上半身裸。
打製石器所持。
しかも。
窓割って脱走済み。
完全に危険人物なり。
一方。
執事達、頭抱えける。
「どうしてこうなった……」
「昨日までは普通だったんだぞ!?」
その時なり。
アレン、真顔にて呟きける。
「腹、減った」
「まず服を着ろ!!」
佐藤健一、即座にツッコミける。
一方。
貴光、静かに頷きける。
「野性味あるなり」
「お前は肯定するな」
その時。
応接室扉、ばたんっと開きける。
「アレン!!」
現れしは。
金髪の青年貴族なり。
整った顔立ち。
高級服。
しかし。
目の下くま酷し。
「兄です」
執事、小声にて説明しける。
「シルペーニャ家長男」
「レオル・ホル・シルペーニャ様です」
一方。
レオル。
弟見た瞬間、頭抱えける。
「またか……」
「また!?」
エレノア、驚きける。
レオル、深き溜息つきける。
「昨日は森で木の実食ってた」
「一昨日は川で魚素手捕り」
「その前は庭で鹿解体してた」
「完全に原始人!!」
一方。
アレン、真顔なり。
「狩り、合理的」
「合理性の方向おかしいんだよ!!」
その時。
執事、おずおず口開きける。
「レオル様……」
「アレン様の話を聞いて頂けませんか」
「嫌だ」
即答なり。
「意味分からん」
「ひどい」
「毎回“石最強”しか言わんのだぞ!?」
一方。
アレン、静かに頷きける。
「石、強い」
「ほらァ!!」
レオル、机叩きける。
その時なり。
執事、こそこそ耳打ちしける。
「……銀貨二枚追加で」
「聞こう」
「金で折れた!!」
佐藤、叫びける。
数分後。
正式尋問開始されけり。
レオル、疲れ切った顔で座りける。
「……で?」
「何なんだお前」
一方。
アレン。
真顔にて答えける。
「気づいたら」
「光」
「ここ」
「情報量少なッ」
「その前は?」
「山」
「山?」
「鹿」
「火」
「石」
しん。
レオル、眉ひそめける。
「……何処の田舎だ?」
一方。
アレン、首傾げける。
「田舎?」
「国名は?」
「クニ?」
「文字は?」
「モジ?」
しん。
空気止まりける。
一方。
佐藤。
ゆっくり顔上げける。
「……あっ」
「む?」
「コイツ」
「現代人じゃねぇ」
「何?」
佐藤、震える声にて呟きける。
「縄文人だコイツ」
しん。
応接室、完全停止。
一方。
アレン。
真顔にて首傾げける。
「ジョウモン?」
「本人知らねぇ!!」
エレノア、吹き出しける。
一方。
貴光のみ、静かに頷きける。
「古き民なり」
「お前らだけ納得するな!!」




