市場、祭りを始めること
翌朝。
市場入口。
異様なる熱気漂ひけり。
「せーの!!」
「わっしょい!!」
「軽虎様ァァァ!!」
「始まってるゥゥゥ!!」
佐藤健一、頭抱えける。
一方。
軽トラ。
縄飾り付けられ。
紙垂ぶら下げられ。
完全に神輿扱いされける。
「なぜこうなったなり」
「お前のせいだよ!!」
エレノア・シルヴァリア、即答しける。
一方。
魚住八五郎。
妙にノリノリなり。
「祭りってのァ景気が大事でぇ!!」
「客寄せよ客寄せ!!」
「商魂たくましすぎる……」
その時なり。
市場中央。
魚屋達、一斉に叫び始めける。
「軽虎様に豊漁を!!」
「商売繁盛!!」
「大売出しだァ!!」
どん。
どん。
太鼓まで鳴り始めたり。
「なんで太鼓あるんだよ!!」
佐藤、ツッコミ追いつかず。
一方。
黒牛二頭。
軽トラ前へ連れて来られける。
「もぉー……」
完全に嫌そうな顔なり。
その時。
八五郎、牛ぽんぽん叩きける。
「頼んだぜ相棒」
「勝手に相棒化するな」
一方。
貴光。
妙に納得した顔しける。
「祭りの牛なり」
「適応力どうなってんのよアンタ」
その瞬間。
市場の子供達。
軽トラ周囲駆け回り始めける。
「軽虎様だー!!」
「ぴかぴかー!!」
その時なり。
太陽光。
軽トラ反射し。
ぴかーっ。
「おおおおお!!」
「祝福だァァァ!!」
「偶然だって!!」
佐藤、叫びける。
しかし。
市場民、既に聞いておらず。
「進めェェェ!!」
黒牛二頭。
しぶしぶ歩き始めける。
ぎぃ……
ぎぃ……
市場中。
軽トラ神輿、巡行開始なり。
「うわぁ……」
エレノア、完全に引き気味なり。
一方。
八五郎。
荷台上へ飛び乗り。
大声張り上げける。
「今日は魚半額だァァァ!!」
「うおおおお!!」
市場民、爆発的盛り上がり見せける。
その時。
商人一人、ぽつりと呟きける。
「……これ」
「普通に経済回ってない?」
しん。
一瞬空気止まりける。
一方。
佐藤。
ゆっくり遠い目しける。
「……軽トラで地域振興始まった」
その瞬間。
貴光、しみじみ呟きける。
「良き牛車なり」
「だから軽トラだって言ってんだろォ!!」




