江戸商人、異世界市場を見ること
翌朝。
街市場。
魚住八五郎、腕組みしつつ歩きける。
「ほぉー……」
肉屋。
八百屋。
香辛料店。
露店。
人混み。
実に賑やかなり。
「異世界って感じだな」
佐藤健一、少し楽しげに呟きける。
一方。
八五郎、真顔なり。
「高ぇ」
「え?」
「全部高ぇ」
即答なり。
その時。
八百屋店主、怒鳴りける。
「文句あるなら買うな!!」
「いや兄さん」
「この芋、江戸なら半値でいけるぜ?」
「江戸って何だよ」
一方。
八五郎、店の商品じろじろ見始めける。
「並べ方も甘ぇ」
「客導線悪ぃ」
「呼び込み弱ぇ」
「導線?」
エレノア・シルヴァリア、首傾げける。
その時。
八五郎、突然声張り上げける。
「おうおう見てけ見てけ!!」
「今日ァ採れたてだァ!!」
市場。
一瞬で人集まり始めける。
「な、何だ!?」
「威勢いいな!!」
一方。
元の店主。
ぽかんと固まりける。
八五郎、次々と商品並べ替え始めける。
「色味寄せろ!」
「目立つモン前だ!」
「香草置け香草!」
「な、なんでぇこの男……」
数分後。
露店前。
人だかり形成されける。
「うお、売れてる!!」
佐藤、目見開きける。
一方。
八五郎、にやりと笑ひける。
「商売ってのァ空気で売るんでぇ」
「普通に有能だ……」
その時なり。
貴光、干し柿食ひつつ頷きける。
「町人の知恵なり」
「珍しく真っ当な感想!」
その瞬間。
市場奥より悲鳴響きける。
「魚屋が困ってるぞ!!」
「魔魚暴れてる!!」
「む?」
一同、魚屋方面見やりける。
そこには。
巨大なる魚型魔物。
びたんびたん暴れ。
店壊し始めける。
「うおぉぉ!?」
「逃げろ!!」
一方。
八五郎。
目輝かせける。
「……魚だァ!!」
「そこテンション上がる!?」
次の瞬間。
八五郎。
包丁抜きける。
すぱぁぁぁっ!!
「えっ」
魚。
一瞬で三枚おろしになりける。
「……………………」
「……………………」
市場、静止。
一方。
八五郎。
手際良く切り身並べ始めける。
「ほれ新鮮だァ!!」
「今締めたぞォ!!」
「切り替え早ぇ!!」
客達。
一瞬困惑し。
そして。
「安い!!」
「うまそう!!」
大行列形成されける。
一方。
八五郎、にやりと笑ひける。
「商売ってのァ勢いよ」
その時。
軽トラ。
市場端にて、ぴかーっ。
「おおおおお!!」
「軽虎様も祝福しておる!!」
「お前は黙ってろ!!」




