橋、信仰対象になり始めること
街道橋。
半壊状態。
その中央。
軽トラ。
完全に橋支えける。
「……………………」
「……………………」
川、水流れ続けたり。
一方。
職人達、完全停止しける。
「……橋より強ぇ」
「だから比較対象おかしいんだって!!」
佐藤健一、叫びける。
その時なり。
親方、ゆっくり軽トラへ近づきける。
ぺた。
「硬ぇ……」
こんこん。
「マジで硬ぇ……」
一方。
御池貴光、少し誇らしげなり。
「頑丈なり」
「知ってるよもう!!」
エレノア・シルヴァリア、頭抱えける。
その時。
職人の一人、真顔にて呟きける。
「……これ固定したら橋完成では?」
「待て」
しん。
全員。
職人見つめける。
職人、真剣な顔なり。
「いや実際」
「この鉄塊動かねぇし」
「壊れねぇし」
「おい」
「橋中央固定したら永久橋だろ」
「おい」
その瞬間。
職人達、一斉にざわつき始めける。
「確かに!!」
「神橋では!?」
「もう木いらなくね!?」
「いるよ!!」
佐藤、全力ツッコミける。
一方。
貴光。
難しき顔しける。
「橋になるなりか」
「なるな!!」
その時。
親方、急に土下座しける。
「頼む!!」
「えっ」
「この橋へ永住してくれ!!」
「軽トラ定住計画始まった!?」
一方。
黒牛二頭。
ぴたりと停止しける。
「もぉ?」
その目。
明らかに、
「それ採用では?」
と言いたげなり。
佐藤、即座に首振りける。
「ダメだからな!?」
その時。
親方、更に熱弁し始めける。
「街道守れる!!」
「物流変わる!!」
「王都との流通革命だ!!」
エレノア、顔引き攣らせける。
「普通に国レベルの話になってる……」
一方。
貴光。
軽トラ撫でつつ考え込みける。
「……橋も悪くなきなり」
「落ちるな!!」
佐藤、慌てて羽交い締めしける。
「お前旅するんだろ!?」
「されど橋、役立つなり」
「社会貢献に目覚めるな!!」
その時なり。
軽トラ。
夕日反射し、ぴかーっ。
「おおおおお!!」
「橋神様だァ!!」
「名前増えたァァァ!!」
一方。
黒牛二頭。
静かに橋中央座り込みける。
その姿。
もはや完全に、
「ここ終の住処でいいのでは」
という顔なりけり。




