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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
異世界テンプレ崩壊編

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茄子顔を巡り、完敗すること

 街の食堂。


 昼時。


 客達、料理食ひつつ騒がしく笑ひ合ひける。


 一方。


 御池貴光。


 未だサエ子見つめ続けける。


「美しきなり……」


「まだ言ってんの!?」


 佐藤健一、勢いよく机叩きける。


 一方。


 厨房奥。


 ドワーフの旦那、完全に眉ひそめける。


「おい平安装束」


「む?」


「うちの嫁ジロジロ見てんじゃねぇ」


「見惚れておるなり」


「認めんな!!」


 空気、一気に険悪になりける。


 エレノア・シルヴァリア、頭抱えける。


「また始まった……」


 その時なり。


 ドワーフ旦那、どすんと中華鍋置きける。


「そこまで言うなら勝負すっか?」


「勝負?」


「俺に勝ったら好きにしろ」


「おい!!」


 佐藤、即座に立ち上がりける。


「何言ってんだアンタ!?」


 されど。


 貴光、静かに頷きける。


「受けて立つなり」


「受けんなァ!!」


 数分後。


 食堂裏。


 即席勝負場形成されけり。


 野次馬大量。


「始まるぞー!!」

「ドワーフ亭主VS平安貴族!!」


 一方。


 サエ子のみ、冷めた目なり。


「何やってんだか……」


 その時。


 ドワーフ旦那、腕組みしつつ言ひける。


「ルール簡単」

「腕相撲だ」


「おお」


「お前負けたら二度と嫁見るな」


「厳しき条件なり」


「当たり前だろ」


 一方。


 貴光、袖まくり始めける。


「貴族、負けぬなり」


「いや絶対弱いだろお前」


 佐藤、冷静にツッコミける。


 その時。


 両者、机へ肘付きたり。


「よーい……」


「開始!!」


 次の瞬間。


 どごん。


 貴光の腕。


 0.3秒で机へ叩き付けられける。


「早ッッッ!!」


 エレノア、吹き出しける。


 一方。


 貴光。


 真顔のまま固まりける。


「……………………」


「……………………」


 ドワーフ旦那、半目になりける。


「弱ぇなお前」


「貴族なりゆゑ」


「言い訳になってねぇ」


 野次馬達、大爆笑し始めける。


「瞬殺だ!!」

「平安弱ぇ!!」


 一方。


 貴光。


 静かに立ち上がり。


 再びサエ子見つめける。


「されど美し――」


「まだ言うの!?」


 佐藤、即座に羽交い締めしける。


「撤収!!」

「依頼行くぞ!!」


「離すなり!!」

「まだ想ひ伝えて――」


「不倫未遂やめろ!!」


 一方。


 ドワーフ旦那、腕組みしつつ呟きける。


「何なんだアイツ……」


 サエ子、芋剥きながら淡々と答えける。


「変な人」


 その時。


 軽トラ。


 夕日反射し、ぴかーっ。


「おおおおお!!」

「軽虎様だァ!!」


「なんで最後お前が締めるんだよ!!」


 佐藤の叫び、街中へ響き渡りけり。

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