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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
異世界テンプレ崩壊編

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依頼、既に終わっていたこと

 数日後。


 村、未だ祭り状態なり。


「軽虎様万歳!!」

「ぽてち追加ァ!!」

「聖牛様撫でたい!!」


 黒牛。


 完全に無表情なり。


 一方。


 御池貴光、供物の白菜抱えつつ頷きける。


「豊かな村なり」


「お前が原因でな」


 佐藤健一、死んだ目しける。


 その時。


 エレノア・シルヴァリア、突然固まりける。


「……………………」


「む?」


「……待って」


「何なり」


 エレノア、ゆっくり依頼書取り出しける。


「薬草採取」

「牙猪討伐」

「村への護衛」


 ぺら。


 ぺら。


 そして。


「……全部終わってる」


 しん。


 空気止まりける。


「……………………」


「……………………」


 佐藤、ゆっくり口開きける。


「……あっ」


 一方。


 貴光、胡瓜齧りつつ首傾げける。


「終わりとは?」


「ギルド戻れって意味よ!!」


 エレノア、叫びける。


「アンタ達この村で何日宗教やってんの!?」


「宗教では無きなり」


「外から見たら完全に宗教よ!!」


 その時なり。


 村長、慌てて駆け寄りける。


「おお待ってください神官様!!」


「む?」


「神殿建設予定地が――」


「帰るなり」


「えっ」


 村長、固まりける。


「か、帰る……?」


「依頼終わりたり」


「そ、そんな……」


 村人達、一斉にざわつきたり。


「鉄神獣様が……」

「旅立たれる……」

「まだ祠しか完成してないのに……!」


「祠作ってたの!?」


 佐藤、絶叫しける。


 一方。


 貴光、軽トラ見上げつつ頷きける。


「旅の牛車ゆゑ」


「だから軽トラだって」


 その時。


 村人の子供一人、泣きそうな顔しける。


「軽虎様行っちゃうの……?」


「む」


 貴光、少し考え込み。


 そして。


 ぽてち一袋差し出しける。


「食ふが良き」


「おおおおお!!」

「神の御菓子だ!!」


「だから宗教感強いんだって!!」


 一方。


 エレノア、額押さえける。


「王都戻ったら絶対面倒なことになってるわよこれ……」


 その時。


 黒牛二頭。


 軽トラの前へ並びける。


 もぉー。


「おお」


 貴光、少し感心した顔しける。


「帰る気満々なり」


「牛の方が状況理解してる……」


 かくして。


 御池貴光一行、再び旅立ちけり。


 その後方。


 村人達、土下座しつつ叫び続けたり。


「軽虎様ァァァ!!」

「またお越しください!!」

「鉄神獣様に栄光を!!」


 一方。


 軽トラ。


 夕日反射し、ぴかーっ。


「おおおおお!!」


 佐藤、荷台にて頭抱えける。


「もう一生付き纏うだろこれ……」

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