はあれむ、理解されぬこと
村中央。
桐崎レン、未だ地面へ膝つきける。
「俺の知ってる異世界じゃねぇぇぇぇ!!」
一方。
御池貴光、供物の胡瓜齧りつつ頷きける。
「奇遇なり」
「お前は原因側なんだよ!!」
その時なり。
レンの取り巻き女子三人、慌てて駆け寄りける。
「レン様、大丈夫ですか!?」
「しっかりしてください!」
「お水飲みます?」
佐藤健一、少し感心した顔しける。
「うわ、ちゃんとハーレムだ」
「違ぇよ仲間だよ!!」
レン、即座に叫びける。
されど。
貴光、女子三人見つめつつ難しき顔しける。
「……やはり多きなり」
「何がだよ!!」
「女子なり」
「そこは見りゃ分かるわよ!!」
エレノア・シルヴァリア、呆れ顔しける。
その時。
女子の一人、ふと貴光見やりける。
「……あの」
「む?」
「何でそんな格好してるんですか?」
「貴族ゆゑ」
「貴族!?」
女子達、ざわつきたり。
「本物!?」
「え、すご……」
一方。
貴光、レン見つめ。
「そなたも貴族なりか?」
「違うわ!!」
「ただの転生者!!」
「されど女子三人侍らせておる」
「だから仲間だって!!」
その時なり。
貴光、少し考え込み。
そして静かに頷きける。
「なるほど」
「分かった?」
「従者なりな」
「進展してねぇ!!」
村人達、ざわつきたり。
「勇者様すげぇ……」
「女子三人従えてる……」
「やはり英雄……」
レン、急に得意げになりかけける。
「まぁ……多少人気は――」
「されど妻おらぬなり」
しん。
空気止まりける。
「……………………」
「……………………」
レン、ゆっくり振り返りける。
「……は?」
「女子多きに、正妻おらぬ」
「いや」
「不安定なり」
「何の話!?!?」
エレノア、既に腹抱えて笑ひ始めける。
「ふふっ……!」
「ダメだこの人……!」
一方。
貴光、真面目な顔しける。
「側室のみ増やすは混乱招くなり」
「だから違ぇって言ってんだろ!!」
レン、完全に顔真っ赤なり。
「俺はそんな関係じゃねぇ!!」
その時。
女子の一人、ぼそっと呟きける。
「……でもレン様って、結局誰とも付き合ってませんよね」
「えっ」
「確かに」
「ずっと曖昧ですし……」
レン、固まりける。
「……………………」
一方。
貴光、静かに頷きける。
「優柔不断なり」
「やめろォ!!」
レン、ついに頭抱えてしゃがみ込みける。
「なんで平安貴族に恋愛観説教されてんだ俺……!!」
佐藤、肩ぽんと叩きける。
「諦めろ」
「お前はもう少し助けろ!!」
その時。
黒牛。
もぉー。
どこか。
「また始まった」
とでも言いたげに鳴きける。




