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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
最終章:鉄の牛車編

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第四の四天王と貴光戦ひ始めたりしこと

 戦場中央。



 第四の四天王ヴァルグ。



 御池貴光。



 相対したり。



 周囲の兵ども。



 距離取りたり。



 何故なら。



 四天王の戦ひなればなり。



 下手に近付けば死ぬ。



 常識なり。



 その時なり。



 ヴァルグ。



 剣抜きたり。



 黒き瘴気噴き出したり。



 地面腐りたり。



 草枯れたり。



 空暗くなりたり。



「見よ」



 ヴァルグ言ひたり。



「これが我が力だ」



 瘴気更に膨れ上がりたり。



 兵ども震へたり。



「まずい」



「四天王だ」



「離れろ!!」



 悲鳴上がりたり。



 一方。



 貴光。



 空になりし干し柿袋眺めたり。



「無きなり」



 非常に残念そうなり。



 その時。



 ヴァルグ。



 額に青筋浮かべたり。



「聞いているのか」



「聞きたり」



「ならば何故驚かぬ」



「腹減りたり」



 しん。



 沈黙したり。



 ヴァルグ。



 少し後悔したり。



 相手選び間違へたかもしれぬ。



 その頃。



 後方。



 佐藤。



「大丈夫かこれ」



「不安しかない」



 エレノア答へたり。



 レン。



 ガルド戦の傷治療受けつつ見たり。



「まあ死にはしねえだろ」



「何でそんな自信あるのよ」



「貴光だから」



 全然理由にならざりけり。



 その時なり。



 ヴァルグ。



 遂に突撃したり。



 地面砕けたり。



 一瞬にして貴光の目前へ至りたり。



 剣振り下ろしたり。



「死ね」



 どごぉん。



 轟音響きたり。



 土煙上がりたり。



 兵ども息呑みたり。



「終わったか」



「流石に」



「教祖様!!」



 信者悲鳴上げたり。



 されど。



 煙晴れたり。



 そこに。



 貴光立ちたり。



 無傷なり。



 その横。



 黒牛立ちたり。



 もぐもぐ。



 草食ってたり。



 平和なり。



 実のところ。



 ヴァルグの斬撃。



 当たりそうになった瞬間。



 貴光。



 躓きたり。



 偶然避けたり。



 本人。



 気付いておらず。



「危なき石なり」



 石蹴飛ばしたり。



 ヴァルグ。



 固まりたり。



「馬鹿な」



 その時。



 信者ども。



 盛大に勘違ひしたり。



「見たか!!」



「教祖様だ!!」



「四天王の攻撃を見切った!!」



「流石教祖様!!」



 全然違ひたり。



 その頃。



 ヴァルグ。



 少し汗かきたり。



「偶然だ」



 自らに言ひ聞かせたり。



「偶然だ」



 そして。



 再び突撃したり。



 今度は連撃なり。



 十撃。



 二十撃。



 三十撃。



 剣閃走りたり。



 地面抉れたり。



 岩砕けたり。



 しかし。



 貴光。



 全部避けたり。



 何故か。



 偶然なり。



 靴紐直したり。



 烏帽子押さへたり。



 くしゃみしたり。



 転びかけたり。



 全部偶然なり。



 されど。



 ヴァルグ視点。



 違ひたり。



「見切っている」



 冷や汗流れたり。



「全て読まれている」



 勘違ひし始めたり。



 その頃。



 魔王軍兵士ども。



 ざわつきたり。



「教祖強くね?」



「強いな」



「めちゃくちゃ強い」



 全然強くなかったり。



 その時なり。



 空。



 爆音響きたり。



 どごぉぉぉぉん。



 遠方にて巨大爆発起こりたり。



 皆。



 思はず振り向きたり。



 森の方角なり。



 何やら嫌な予感したり。



 一方その頃。



 森。



 ぺ・ヤ。



 魔物追いかけたり。



「俺 腹減った」



「だから 狩り する」



 非常に平常運転なり。



 そして。



 巨大火炎魔法準備したり。



 まだ誰も。



 この火炎が。



 後に第四の四天王の運命を決めること。



 知りおらざりけり。

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