貴光王城へ呼び出されたりしこと
第三国境砦陥落したり。
第二国境砦も危うしとの報せ届きたり。
王都。
完全に戦時体制へ移りつつありけり。
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そして。
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軽虎教本部。
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王城よりの使者来たり。
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「国王陛下より」
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「何なり」
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「御池貴光殿を王城へ招集する」
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貴光。
しばし黙しけり。
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そして。
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「面倒なり」
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いつも通りなり。
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「拒否は」
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使者。
少し考へたり。
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「恐らく不可能です」
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「面倒なり」
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二度目なり。
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その頃。
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佐藤。
荷物まとめたり。
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「行くしかねえな」
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「うむ」
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エレノア。
剣整へたり。
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「王都が落ちたら笑えないし」
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レン。
黙って座りたり。
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珍しく静かなり。
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「何なり」
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貴光問ひたり。
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レン。
小さく答へたり。
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「……嫌な予感がする」
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その言葉。
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いつもの軽いものにあらず。
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勇者としての勘なり。
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その場の空気。
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少し重くなりたり。
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「魔王軍か」
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佐藤問ひたり。
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レン頷きたり。
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「多分な」
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「どの程度なり」
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貴光問ひたり。
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レン。
窓の外見つめたり。
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「四天王が出てる時点でかなり本気だ」
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しん。
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静まりたり。
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普段のレン。
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適当なり。
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雑なり。
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口も悪し。
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されど。
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勇者としての実力。
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本物なり。
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この世界に召喚されし勇者。
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数多の魔物討ちたり。
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魔王軍幹部とも戦ひたり。
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故に。
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その言葉。
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重みありたり。
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「四天王一人なら何とかなる」
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レン続けたり。
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「でも軍まで来ると話が違う」
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「ほう」
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「王国軍だけじゃきついかもしれねえ」
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その時なり。
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貴光。
少し考へたり。
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「レン」
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「何だ」
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「強きなりか」
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しん。
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数秒沈黙流れたり。
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佐藤。
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吹き出したり。
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「今更かよ!!」
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エレノア。
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「そこから!?」
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レン。
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頭抱へたり。
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「俺勇者だぞ!!」
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「知りたり」
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「分かってねえだろ!!」
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分かっておらざりけり。
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その頃。
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王城。
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緊急軍議続きたり。
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巨大なる地図広げられたり。
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将軍ら顔青ざめたり。
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「第二国境砦」
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「持つと思うか」
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「厳しい」
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「援軍は」
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「間に合わん」
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状況最悪なり。
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その時なり。
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扉開きたり。
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国王現れたり。
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全員立ち上がりたり。
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「陛下」
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「座れ」
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国王。
静かに言ひたり。
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「軽虎教への使者は」
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「既に出しました」
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「そうか」
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国王。
小さく頷きたり。
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実のところ。
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王国最大の戦力候補。
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既に軍ではなかったり。
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軽虎教なり。
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数十万の信者。
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莫大なる資金。
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王都全域への影響力。
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そして。
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勇者レン。
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王国上層部。
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その存在知りたり。
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故に。
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何としても協力欲しかりけり。
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一方その頃。
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魔王軍前線。
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黒炎のガルド。
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第二国境砦見つめたり。
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「抵抗は」
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「あります」
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「構わん」
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ガルド。
剣抜きたり。
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黒炎噴き上がりたり。
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「潰せ」
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「はっ」
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魔王軍。
再び進軍始めたり。
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地面震へたり。
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空曇りたり。
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戦争。
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本格化し始めたり。
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そして。
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翌朝。
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貴光ら一行。
王城へ向かひたり。
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王国の運命。
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そして魔王軍との戦争。
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大きく動き始めたり。
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もっとも。
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貴光。
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道中ずっと。
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「牛は置いてゆかぬなり」
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そればかり気にしておりたり。




