王都に魔王軍の影忍び寄りたりしこと
魔王軍の密偵ども。
混乱したまま帰還しけり。
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されど。
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魔王軍。
調査を止めざりけり。
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何故なら。
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分からぬものほど恐ろしきものなればなり。
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その頃。
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王都。
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相変わらず平和なり。
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大型トラックランド建設進みたり。
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大型トラック神像伸びたり。
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寄付増えたり。
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誰も魔王軍のこと気にせざりけり。
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その時なり。
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王都南門。
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三人の旅人入り来たり。
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黒き外套纏ひたり。
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荷物少なめなり。
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見た目は普通なり。
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極めて普通なり。
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されど。
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普通ではなかったり。
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魔王軍の精鋭たり。
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密偵より上位の工作員なり。
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任務。
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軽虎教の実態調査。
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そして。
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必要あらば破壊工作なり。
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「目立つな」
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「了解」
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「まず情報収集だ」
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三人。
人混みへ紛れたり。
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その頃。
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大型トラックランド建設現場。
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工事続きたり。
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職人叫びたり。
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「石材持ってこい!!」
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「木材足りねえ!!」
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「予算はあるぞ!!」
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実に景気良し。
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その時。
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一人の工作員。
工事現場見つめたり。
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「これが例の施設か」
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「らしいな」
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「要塞か?」
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「違うらしい」
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「神殿か?」
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「違うらしい」
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「何なんだ」
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「分からん」
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またしても分からず。
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その後。
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三人。
酒場へ向かひたり。
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情報収集の基本なり。
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酒場。
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昼間より賑わひたり。
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そこで。
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工作員ら。
近くの客へ尋ねたり。
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「軽虎教について聞きたい」
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「おう」
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「危険な宗教なのか」
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客。
少し考へたり。
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「危険っちゃ危険だな」
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工作員。
真剣に聞きたり。
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「どのように」
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「祭りが多い」
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「……は?」
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「あと牛増える」
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「……は?」
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「大型トラック神」
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「……」
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「よく分からん」
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「……」
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情報収集失敗したり。
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その頃。
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軽虎教本部。
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貴光。
昼寝してたり。
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黒牛。
草食ってたり。
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佐藤。
ポテチ食ってたり。
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平和なり。
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その時なり。
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レン。
窓の外見たり。
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「ん?」
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「何なり」
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「知らねえ奴が増えてる」
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王都の通り。
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見慣れぬ顔ちらほら見えたり。
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その中に。
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魔王軍工作員も混じりたり。
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もっとも。
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レン。
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魔王軍とは気付かざりけり。
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「観光客か」
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「かもしれん」
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佐藤答へたり。
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実際。
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大型トラックランド見物客増えてたり。
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区別付きにくし。
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その夜。
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王都外れ。
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工作員三人。
再び集まりたり。
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「どうだった」
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「分からん」
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「俺も分からん」
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「俺もだ」
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前回と同じ結論なり。
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その時。
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一人。
小さき紙取り出したり。
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魔王軍本部への報告書なり。
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【軽虎教調査報告】
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【信者数多数】
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【資金力多数】
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【大型トラック神の正体不明】
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【教祖もよく分かっていない可能性あり】
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【牛が増えている】
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書きながら。
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「最後いるか?」
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「いるだろ」
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「重要情報かもしれん」
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真面目なり。
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非常に真面目なり。
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そして。
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遠く離れし魔王領。
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報告受け取りし将軍。
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内容読みたり。
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読みたり。
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さらに読みたり。
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そして。
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「何故牛が増えている」
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誰も答えられざりけり。
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その時なり。
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魔王軍本部の奥。
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一つの扉開きたり。
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重々しき音響きたり。
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将軍ら。
一斉に振り向きたり。
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現れしは。
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魔王軍最高幹部の一人。
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四天王たり。
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「報告は聞いた」
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部屋静まりたり。
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「軽虎教か」
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四天王。
静かに報告書見つめたり。
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そして。
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「放置は危険だな」
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その一言。
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部屋の空気変へたり。
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魔王軍。
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本格的に動き始めたり。
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一方その頃。
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貴光。
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黒牛撫でながら言ひたり。
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「平和なり」
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全然平和ではなかったり。




