魔王軍軽虎教を危険視し始めたりしこと
魔王軍の偵察兵。
王都より帰還しけり。
⸻
魔王領。
⸻
辺境要塞。
⸻
偵察報告行はれたり。
⸻
将軍。
報告書受け取りけり。
⸻
「読め」
⸻
「はっ」
⸻
偵察兵。
報告始めたり。
⸻
「王都にて巨大宗教勢力確認」
⸻
「うむ」
⸻
「信者数多数」
⸻
「うむ」
⸻
「資金力莫大」
⸻
「うむ」
⸻
「巨大建造物建設中」
⸻
将軍。
少し眉ひそめけり。
⸻
「どの程度なりや」
⸻
「高さ二百メートル級です」
⸻
しん。
⸻
部屋静まりたり。
⸻
「何だと」
⸻
「翼付きです」
⸻
「何だと」
⸻
「角付きです」
⸻
「何だと」
⸻
「尻尾付きです」
⸻
「何だと」
⸻
報告受けるほど意味不明となりたり。
⸻
その時。
⸻
副官。
問ひたり。
⸻
「その宗教の名は」
⸻
「軽虎教」
⸻
「聞いたこと無し」
⸻
「私もです」
⸻
当然なり。
⸻
最近生まれた宗教なれば。
⸻
されど。
⸻
次の報告。
⸻
将軍らを更に困惑させたり。
⸻
「なお」
⸻
「何だ」
⸻
「信者ら大型トラック神なる存在を崇拝しております」
⸻
しん。
⸻
「大型何だ」
⸻
「大型トラック神です」
⸻
「何だそれは」
⸻
「分かりません」
⸻
偵察兵。
正直なり。
⸻
実際。
⸻
誰も分からざりけり。
⸻
その時。
⸻
一人の参謀。
地図広げつつ言ひたり。
⸻
「危険ではないのか」
⸻
「何がだ」
⸻
「信者数だ」
⸻
皆。
黙しけり。
⸻
確かに。
⸻
王都にて急成長中の宗教。
⸻
莫大なる資金力。
⸻
巨大建造物。
⸻
数百万とも噂される信者。
⸻
普通に考へれば。
⸻
危険なり。
⸻
「監視対象に加へるべし」
⸻
「うむ」
⸻
決定したり。
⸻
その頃。
⸻
軽虎教本部。
⸻
貴光。
昼寝してたり。
⸻
黒牛。
草食ってたり。
⸻
佐藤。
ポテチ食ってたり。
⸻
平和だったり。
⸻
その時。
⸻
レン。
報告書読みたり。
⸻
「うわ」
⸻
「何なり」
⸻
貴光。
半分寝ながら答へたり。
⸻
「大型トラックランドの予算がまた増えてる」
⸻
「ほう」
⸻
「金貨五十万枚超えた」
⸻
「多きなり」
⸻
「感想それだけかよ」
⸻
当然なり。
⸻
貴光。
金貨五十万枚の価値など分からざれば。
⸻
その時。
⸻
古参信者。
またしても駆け込み来たり。
⸻
「教祖様!!」
⸻
「何なり」
⸻
「大変です!!」
⸻
「また神像なりか」
⸻
「違います!!」
⸻
珍しきことなり。
⸻
「魔王軍です!!」
⸻
しん。
⸻
数秒。
⸻
沈黙流れたり。
⸻
「魔王軍なりか」
⸻
「魔王軍です!!」
⸻
「居たなりか」
⸻
「居ますよ!!」
⸻
古参信者。
思はず叫びたり。
⸻
その時。
⸻
佐藤。
ぽつりと言ひたり。
⸻
「そういや居たな」
⸻
「居たわね」
⸻
エレノアも頷きたり。
⸻
「居たな」
⸻
レンも頷きたり。
⸻
全員。
⸻
忘れてたり。
⸻
その頃。
⸻
魔王領。
⸻
魔王軍本部。
⸻
更なる報告届きたり。
⸻
【軽虎教勢力拡大中】
⸻
【大型トラック神建設中】
⸻
【詳細不明】
⸻
魔王軍上層部。
頭抱へたり。
⸻
「何だ大型トラック神とは」
⸻
「分かりませぬ」
⸻
「新兵器か」
⸻
「分かりませぬ」
⸻
「古代兵器か」
⸻
「分かりませぬ」
⸻
「神か」
⸻
「分かりませぬ」
⸻
誰も知らず。
⸻
されど。
⸻
警戒だけは強まりたり。
⸻
そして。
⸻
魔王軍内部にて。
⸻
一つの案。
浮上しけり。
⸻
「王都を偵察するだけでは足りぬ」
⸻
「うむ」
⸻
「直接探るべし」
⸻
かくして。
⸻
魔王軍。
⸻
本格的に軽虎教調査を開始したり。
⸻
もっとも。
⸻
調査すればするほど。
⸻
意味が分からなくなる運命なりけれど。




