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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ世界戦争編

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神像に牙付けるか否か大論争起こりしこと

 大型トラック神像建設。


 なおも続きけり。


 胴体伸びたり。


 翼大きくなりたり。


 尻尾生えたり。


 もはや誰も元の姿思い出せざりけり。



 その頃。


 過激派本部にて。


 またしても会議開かれたり。



「何か足りない」



 一人の幹部言いたり。



「うむ」



「確かに」



 周囲の者ども頷きたり。



「神々しさはある」



「威厳もある」



「だが何か足りない」



 しばし沈黙流れたり。



 その時。



 一人の信者。


 勢いよく立ち上がりたり。



「牙です!!」



 しん。



 会議室静まり返りたり。



「牙?」



「牙です!!」



「何故?」



「強そうだからです!!」



 実に過激派らしき理由なり。



 その瞬間。



「天才か」



「確かに」



「強そうだ」



 賛成派現れたり。



 されど。



「待て!!」



 別の信者立ち上がりたり。



「反対だ!!」



「何故だ」



「怖い!!」



 実に分かりやすし。



「牙があったら子供が泣く!!」



「泣かない!!」



「泣く!!」



「泣かない!!」



 論争始まりたり。



 その頃。



 軽虎教本部。



 貴光。


 縁側に座し。


 牛乳飲みけり。



 黒牛。


 近くにて草食みたり。



 平和なり。



 その時なり。



 古参信者。


 またしても駆け込み来たり。



「教祖様!!」



「何なり」



「牙です!!」



 貴光。


 少し考へたり。



「獣なりか」



「違います!!」



「牛なりか」



「違います!!」



「大型トラック神です!!」



 貴光。


 天を仰ぎたり。



「まだ増えるなりか」



「増えます!!」



 古参信者。


 半ば泣きそうになりたり。



 その時。



 佐藤。


 報告書眺めたり。



「うわ」



「何なり」



「牙の長さ十メートル案がある」



「長きなり」



「二十メートル案もある」



「もっと長きなり」



「三十メートル案もある」



「それは槍なり」



 珍しく正論なり。



 その頃。



 過激派本部。



 論争なお続きたり。



「牙は必要だ!!」



「不要だ!!」



「強そうだ!!」



「怖い!!」



「強そうだ!!」



「怖い!!」



 全く進展せず。



 その時。



 一人の若き信者。


 恐る恐る手挙げたり。



「質問」



「何だ」



「大型トラック神って誰と戦うんですか」



 しん。



 会議室静まり返りたり。



 誰も答えられず。



 数秒後。



「分からん」



 幹部答えたり。



「ですよね」



 納得されたり。



 その時。



 別の信者。


 ぽつりと言いたり。



「もし戦うなら魔王とか?」



 しん。



 一瞬だけ静まりたり。



「魔王?」



「そういえばいたな」



「最近全然聞かないな」



 誰も気にしておらざりけり。



 その頃。



 王都の酒場。



 黒衣の男一人座りたり。



 旅人に見えたり。



 されど。



 魔王軍の偵察兵なり。



 男。


 酒飲みながら周囲の話聞きたり。



「大型トラック神がな」



「牙付くらしいぞ」



「翼もあるぞ」



「高さ二百メートルらしい」



「信者数も凄い」



 偵察兵。


 眉ひそめたり。



「何だそれは」



 更に耳傾けたり。



「軽虎教」



「巨大宗教」



「金貨四十万枚」



「王都最大勢力」



 偵察兵。


 静かに席立ちたり。



 嫌な予感したればなり。



 そしてその夜。



 魔王領へ向け。


 報告送りたり。



【王都に巨大宗教勢力確認】



【大規模建造物建設中】



【詳細不明】



【警戒推奨】



 報告書は。



 遠く魔王軍本部へ届けられたり。



 もっとも。



 軽虎教の実態が。



 大型トラック神の牙で揉めている集団であることまでは。



 流石に書かれておらざりけり。

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