神像の胴体どんどん増築されしこと
大型トラック神像建設。
順調に進みけり。
少なくとも。
過激派の者どもの認識においては。
順調なりけり。
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着工より七日ほど過ぎたり。
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巨大なる土台完成しけり。
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職人ら汗流し。
石積み上げ。
木材運びたり。
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その様見て。
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過激派幹部ら。
大いに感動しけり。
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「素晴らしきなり」
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「神々しきなり」
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「歴史に残るべし」
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その時なり。
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一人の設計士。
恐る恐る手挙げたり。
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「申し上げたきことあり」
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「何だ」
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「少々問題ありまして」
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幹部ら顔見合わせたり。
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「問題とな」
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「このままでは胴体短すぎます」
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しん。
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空気静まりたり。
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「何だと」
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「現在の設計では」
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「うむ」
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「顔が大きすぎます」
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図面広げられたり。
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そこに描かれたる神像。
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牛の顔。
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巨大なり。
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翼も巨大なり。
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角も巨大なり。
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されど。
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胴体だけ妙に短し。
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まるで。
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頭だけ成長した子供の如し。
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「格好悪し」
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一人呟きたり。
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「格好悪し」
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全員頷きたり。
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かくして。
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「胴体を伸ばすべし」
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決定したり。
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その結果。
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神像。
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全長二百メートルより。
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二百五十メートルとなりたり。
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職人ら。
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「増えたぞ」
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「増えたな」
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「また増えた」
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慣れ始めたり。
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その頃。
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軽虎教本部。
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貴光。
黒牛と共に昼寝しけり。
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その時なり。
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古参信者。
再び駆け込み来たり。
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「教祖様!!」
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「何なり」
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「神像が伸びました!!」
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貴光。
しばし考へたり。
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「何処がなり」
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「胴体です!!」
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「ほう」
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「五十メートルほど」
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「長きなり」
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感想終はりたり。
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古参信者。
頭抱へたり。
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その時。
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佐藤。
図面見たり。
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「待て」
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「何なり」
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「まだ伸ばす予定あるぞ」
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しん。
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空気止まりたり。
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「何だと」
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古参信者叫びたり。
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図面の下部。
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【第二次増築計画】
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書かれたり。
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「何故なり」
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「知らん」
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誰も知らざりけり。
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その頃。
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建設現場。
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幹部ら再び会議しけり。
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「問題なり」
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「何だ」
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「胴体伸ばした」
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「うむ」
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「翼が小さく見える」
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しん。
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設計士ら嫌な予感しけり。
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「では翼も大きくすべし」
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「うむ」
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「良き考へなり」
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誰も止めざりけり。
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その結果。
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翼。
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三倍になりたり。
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もはや飛ばんとしておるのか。
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誰にも分からず。
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その時なり。
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一人の若き信者。
手挙げたり。
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「質問」
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「何だ」
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「大型トラックは飛ぶのですか」
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しん。
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幹部ら固まりたり。
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数秒後。
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「飛ぶかもしれぬ」
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「なるほど」
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ならぬなり。
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その夜。
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神界。
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例の神。
また下界見つめたり。
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「伸びたな」
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「伸びたな」
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「前より大きい」
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「大きいな」
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「何処まで大きくなると思ふ」
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隣の神。
少し考へたり。
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「知らん」
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「正しき答へなり」
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神々すら予測不能なり。
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そして。
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建設現場では。
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更なる増築計画進められたり。
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胴体伸びたり。
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翼増えたり。
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車輪増えたり。
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何故か尻尾の案まで出たり。
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大型トラック神。
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段々と大型トラックより離れつつありたり。
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されど。
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誰一人として。
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そのこと気にせざりけり。




