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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ世界戦争編

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大型トラック神像ついに着工したりしこと

 大型トラック神像の顔、遂に決まりけり。


 牛の顔。


 大型トラックの胴。


 翼付き。


 角付き。


 車輪多数。


 実に奇怪なり。


 されど。


 過激派の者ども、大いに満足しけり。



「完璧なり」



「神々しきなり」



「歴史に残るべし」



 誰も止めざりけり。



 かくして。



 王都北部。



 大型トラックランド建設予定地。



 遂に着工の日迎へたり。



 朝早くより。


 職人ら集まりけり。



 石工。



 大工。



 鍛冶師。



 荷運び人。



 果ては料理人まで来たり。



 完全に一大事業なり。



 中央には仮設舞台設けられたり。



 その上にて。



 過激派幹部ら演説始めたり。



「本日!!」



「我らの悲願!!」



「大型トラック神像!!」



「建設開始なり!!」



 歓声上がりたり。



「おおおおお!!」



「万歳!!」



「万歳!!」



 その時。



 一人の信者。



 手挙げたり。



「質問」



「何だ」



「大型トラック神とは結局何でしょう」



 しん。



 空気止まりたり。



 数秒後。



 幹部。


 静かに答へたり。



「夢なり」



「おお……」



 感動したり。



 何一つ説明になっておらざりけり。



 その頃。



 軽虎教本部。



 貴光。


 牛乳飲みつつ空見上げけり。



 実に平和なり。



 その時なり。



 古参信者。


 またしても駆け込み来たり。



「教祖様!!」



「何なり」



「始まりました!!」



「何がなり」



「神像です!!」



 貴光。


 少し考へたり。



「まだやるなりか」



「やっております!!」



 古参信者。


 泣きそうな顔したり。



 その時。



 佐藤。


 報告書受け取りたり。



 目通しける。



 そして。



「うわ」



「何なり」



「職人五百人」



「多きなり」



「石材千トン」



「多きなり」



「予算金貨四十五万枚」



「多きなり」



 全部多かりけり。



 その頃。



 建設現場。



 記念すべき第一の石据ゑられたり。



 職人ら慎重に運びたり。



 幹部ら感動したり。



「始まった……」



「遂に始まった……」



 涙ぐむ者まで現れたり。



 その時なり。



 巨大な石。



 ごろりと転がりたり。



「危ない!!」



 職人叫びけり。



 石。



 坂下へ転がりたり。



 ごろごろ。



 ごろごろ。



 ごろごろ。



 そして。



 募金箱直撃したり。



 どごん。



 募金箱吹き飛びたり。



 金貨。



 宙舞ひたり。



 きらきら。



 非常に綺麗なり。



 次の瞬間。



「金だぁぁぁ!!」



 信者ら走り出でたり。



「拾へ!!」



「急げ!!」



「一枚も逃すな!!」



 現実的なり。



 その結果。



 着工式。



 大混乱となりたり。



 幹部ら。



「戻れ!!」



「式典中だ!!」



 叫びたり。



 されど。



 誰も聞かざりけり。



 金貨の方が大事なればなり。



 その頃。



 神界。



 例の神。


 下界見下ろしけり。



「始まったな」



 隣の神。


 頷きたり。



「始まったな」



「止まると思ふか」



「思はぬ」



 満場一致なり。



 その夜。



 金貨回収終はりたり。



 募金箱修理されたり。



 職人ら帰りたり。



 そして。



 巨大なる土台のみ残りたり。



 月明かりの下。



 それは妙に神々しく見えたり。



 もっとも。



 完成予想図見れば。



 神々しいかどうか怪しきものなりけれど。



 過激派の者ども。



 夢と希望に満ちたり。



 そして。



 建設は本格的に進み始めたり。



 誰も知らざりける。



 この像が完成するまでに。



 あと何度も設計変更されることを。

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