大型トラック神像の顔決め始まりたりしこと
巨大なる大型トラック神像建設計画。
順調に迷走しけり。
高さ二百メートル。
翼付き。
角付き。
虹発生機能付き。
もはや何の像なるか誰にも分からざりけり。
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されど。
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問題残りたり。
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最も重大なる問題なり。
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顔なり。
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大型トラック神の顔決まらざりけり。
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そのため。
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過激派本部。
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緊急会議開かれたり。
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「顔を決めねばならぬ」
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「うむ」
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「確かに」
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信者ら頷きけり。
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「神に顔無きは寂しきなり」
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「その通り」
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「では案を出せ」
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その時なり。
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一人の信者。
勢いよく手挙げたり。
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「凛々しき顔は如何でしょう」
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「ほう」
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図描かれたり。
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完成したるは。
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異様に眉太き顔。
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しん。
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「怖し」
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「怖し」
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「怖し」
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満場一致にて却下されたり。
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次なる信者。
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「優しき顔は如何でしょう」
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図描かれたり。
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完成したるは。
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何故か祖父の如き顔。
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「神といふより村長なり」
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却下されたり。
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その後も。
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勇ましき顔。
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神秘的なる顔。
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猫の顔。
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犬の顔。
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魚の顔。
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色々出でたり。
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されど。
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決まらざりけり。
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その頃。
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軽虎教本部。
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貴光。
縁側に座し。
牛乳飲みけり。
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黒牛。
近くにて草食みたり。
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平和なり。
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その時なり。
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古参信者。
またしても駆け込み来たり。
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「教祖様!!」
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「何なり」
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「顔です!!」
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貴光。
少し考へたり。
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「誰のなり」
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「大型トラック神です!!」
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「まだ作るなりか」
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当然の疑問なり。
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「顔が決まりません!!」
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「ほう」
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古参信者。
大量の紙束差し出したり。
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候補案なり。
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貴光。
ぱらぱらと見たり。
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見たり。
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更に見たり。
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やがて。
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「牛が無きなり」
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古参信者。
頭抱へたり。
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「またですか」
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「牛なり」
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貴光。
真顔なり。
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「軽虎様なれば牛あるべきなり」
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「ですが大型トラック神です」
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「されど牛なり」
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話終はりたり。
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その結果。
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数日後。
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過激派本部。
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新案発表されたり。
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【牛風大型トラック神】
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しん。
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信者ら図面見つめたり。
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顔。
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牛。
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身体。
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大型トラック。
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翼付き。
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角付き。
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もはや怪物なり。
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「……」
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「……」
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「……」
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長き沈黙流れたり。
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やがて。
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「可愛いのでは」
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一人呟きたり。
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「確かに」
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「可愛いな」
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「可愛い」
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採用されかけたり。
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危険なり。
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非常に危険なり。
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その時。
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一人の若き信者。
恐る恐る問ひたり。
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「質問」
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「何だ」
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「大型トラック要素どこです?」
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しん。
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空気止まりたり。
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幹部ら図面見たり。
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確かに。
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大型トラック部分。
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少なかりけり。
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数秒後。
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「車輪増やせ」
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「了解」
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解決したことになりたり。
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その頃。
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神界。
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例の神。
下界見つめたり。
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「牛になったぞ」
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隣の神。
覗き込みたり。
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「本当だ」
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「牛だな」
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「牛だ」
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大型トラック神なる名。
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既に形骸化しつつありたり。
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その夜。
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建設現場。
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職人ら新図面見たり。
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「何だこれ」
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「知らん」
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「本当に作るのか」
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「給金出るから作る」
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現実的なり。
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そして。
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大型トラック神像。
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顔決まりたり。
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されど。
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誰一人として。
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これが正しき方向なりと思はざりけり。




