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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ世界戦争編

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巨大なる大型トラック神像建設決まりたりしこと

 大型トラックランド建設、着々と進みけり。


 されど。


 過激派の者ども。


 それに満足せざりけり。



 ある日のことなり。



 過激派本部。



 幹部ら会議開きける。



 机の上には図面山の如く積まれたり。



「問題なり」


 一人の幹部、腕組みしつつ言ひけり。



「何がなり」



「ランドの象徴が弱し」



 周囲の者ども頷きけり。



「確かに」



「迫力足らず」



「神々しさも足らず」



 その時なり。



 一人の幹部。


 勢いよく立ち上がりけり。



「巨大なる神像を建てるべし!!」



 しん。



 静まり返りけり。



 やがて。



「天才なり」



「流石なり」



「神の如き発想なり」



 誰も反対せざりけり。



 その結果。



 設計会議始まりけり。



「高さは」



「百メートル」



「低し」



「では百五十」



「低し」



「二百」



「良し」



 何が良きのか誰も知らず。



 されど決まりたり。



 さらに。



「翼も付けるべし」



「良し」



「角も付けるべし」



「良し」



「光るべし」



「良し」



「夜空へ虹を放つべし」



「良し」



 段々意味不明となりけり。



 その頃。



 軽虎教本部。



 貴光。


 黒牛の隣にて昼寝しける。



 実に平和なり。



 その時なり。



 古参信者、血相変へて駆け込み来たり。



「教祖様!!」



 貴光、むくりと起き上がりけり。



「何なり」



「神像です!!」



「牛なりか」



「違ひます!!」



「何なり」



「大型トラック神です!!」



 貴光。


 少し考へたり。



「まだ作るなりか」



「更に大きくなりました!!」



「ほう」



 図面広げられたり。



 貴光。


 じっと見つめけり。



 見つめけり。



 さらに見つめけり。



 そして。



「大ききなり」



「そこじゃありません!!」



 古参信者、思はず叫びけり。



 その時。



 佐藤も図面覗き込みたり。



「うわ」



「何なり」



「何か羽生えてる」



「うむ」



「角も生えてる」



「うむ」



「虹も出てる」



「うむ」



「何だこれ」



 誰にも分からざりけり。



 その頃。



 建設予定地。



 職人ら集まりたり。



 巨大な土台作られたり。



 石切り出されたり。



 木材運ばれたり。



 金貨消えていきたり。



 その様子見て。



 一人の若き職人。


 ぽつりと呟きけり。



「これ完成するのか」



「知らん」



 監督答へたり。



「完成したらどうなるのだ」



「知らん」



「何のために作るのだ」



「知らん」



 皆知らざりけり。



 されど。



 給金良かりければ。



 誰も辞めざりけり。



 その夜。



 神界。



 例の神。


 また下界見下ろしけり。



「増えてる」



 隣の神。


 覗き込みたり。



「増えてるな」



「前より大きい」



「大きいな」



「何故だ」



「知らん」



 神々もまた知らざりけり。



 その時なり。



 神界の片隅にて。



 一人の新人神。


 大型トラック神像の図面見つめつつ言ひけり。



「ちょっと格好良くないですか」



 しん。



 周囲の神々。


 ゆっくり振り向きたり。



「やめろ」



「やめておけ」



「その道は危険だ」



 未来を知る者どもの忠告なり。



 されど。



 下界の過激派。



 そんなこと露知らず。



 巨大なる神像の建設に向け。


 ますます盛り上がりける。



 そして。



 募金箱。



 またしても金貨飲み込みたり。



 ちゃりん。



 ちゃりん。



 ちゃりん。



 基金。


 ついに金貨四十万枚突破しけり。



 誰も止められず。



 計画ばかり大きくなりて。



 肝心の大型トラックとは何か。



 未だ誰も知らざりけり。

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