表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
異世界テンプレ崩壊編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
18/313

魔法、陰陽術に負けること

 翌朝。


 軽トラ周辺、妙に静かなり。


 御池貴光、運転席にて目覚めける。


「……柔らかきなり」


 そのまま数秒。


 座席撫で続けける。


 一方。


 佐藤健一、その様子見て若干引きける。


「完全に気に入り始めてる……」


「認めたくねぇけどな」


 貴光、静かに窓見やりける。


「風通し悪きは変わらぬなり」


「そこだけはブレねぇな」


 その時なり。


 エレノア・シルヴァリア、外より戻り来たり。


「水汲んできたわよ」


「おお」


 されど。


 貴光、その桶見つめ難しき顔しける。


「……少なきなり」


「は?」


「この人数ならば足らぬなり」


「だから追加で汲むんでしょ」


「面倒なり」


 次の瞬間。


 エレノア、ふっと笑み浮かべける。


「……仕方ないわね」


 すっ。


 杖構えける。


 周囲の空気、僅かに震え始めたり。


 佐藤、少し期待した顔しける。


「おっ、魔法だ」


 エレノア、得意げに詠唱始めける。


「水よ、集いて形を成しなさい――」


 すると。


 空中より水集まり始め。


 やがて巨大なる水球、ふわりと浮かびける。


「おおー!!」


 佐藤、素直に感動しける。


「異世界っぽい!!」


 水球、そのまま桶へ流れ込みたり。


 あっという間に満杯なり。


 エレノア、ふふんと笑ひける。


「どう?」


「便利だなぁ」


「当然よ」


 一方。


 貴光、しばし黙り込みける。


「……………………」


「……………………」


「……派手なり」


「え?」


「陰陽師の方が雅なり」


「はぁ!?」


 エレノア、即座にキレける。


「今のどこに不満あるのよ!?」


「水、どばぁーなり」


「語彙!!」


 貴光、静かに立ち上がりける。


「見せるなり」


「何をよ」


 その時。


 貴光、地面へ木の枝取り。


 さらさらと何やら描き始めける。


 円。


 線。


 妙なる文字。


「……何してんだ?」


「陰陽術なり」


 エレノア、半目になりける。


「絶対なんか変なの始まるわよこれ」


 貴光、完成した図見つめ。


「む」


 その中央へ、小枝立てける。


 そして。


「風吹けば倒るべし」


 ぴゅう。


 風、吹きける。


 小枝、倒れたり。


「……………………」


「……………………」


「……終わり?」


 エレノア、呆れ顔しける。


 貴光、満足げに頷きける。


「自然との調和なり」


「ただ風で倒れただけじゃない!!」


 一方佐藤。


 腹抱えて笑ひ始めける。


「ははははは!!」


「何笑ってんのよ!?」


「いや、魔法と陰陽術の格差が酷すぎて……!」


 その時なり。


 後方。


 黒牛。


 二頭並び。


 静かにこちら見つめける。


 そして。


 もぉー。


 どこか。


「まだ魔法の方がマシだった」


 とでも言いたげな声なりけり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ