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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ世界戦争編

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過激派の集会所へ赴きたりしこと

 大型トラック神建立の話聞きし翌日。


 貴光ら一行、過激派信者らの集会所へ赴くこととなりけり。


 理由は単純なり。


 放置すれば更に面倒となりそうだったればなり。



「本当に行くのね」


 エレノア、朝より気怠げに言ひたり。



「今回は流石に止めた方が良いと思う」


 佐藤答へたり。



「絶対ろくなことにならん」


 レンも頷きたり。



 その時。


 貴光、黒牛の背撫でながら口開きたり。



「面倒なり」



「だから行くんだよ」


 佐藤即答したり。



「面倒を放置すると更に面倒になるんだ」



「それは嫌なり」



「だろうな」



 かくして。


 一行、王都北部へ向かひたり。



 北部地区は職人や商人多き場所なり。


 倉庫立ち並び。


 荷車行き交ひ。


 活気に満ちたり。



 されど。



「何か変な方向に活気づいてるな」



 佐藤思はず呟きたり。



 遠目にも見えたり。


 巨大なる旗。


 巨大なる垂れ幕。


 大量の人影。



【大型トラック神建立計画】



【寄付受付中】



【信仰は未来への投資】



「最後のは何なり」



「俺に聞くな」



 やがて。


 一行、目的地へ辿り着きたり。



 元穀物倉庫なり。


 されど今や。


 過激派信者らの本拠地となりたり。



 入り口付近だけでも信者百人以上集まりたり。


 石材運ぶ者。


 木材運ぶ者。


 募金箱運ぶ者。


 図面抱へ走る者。



 もはや祭りの如し。



 その時。


 一人の信者。


 貴光見つけたり。



「教祖様だ!!」



 次の瞬間。



「教祖様!!」



「教祖様万歳!!」



「軽虎様万歳!!」



「牛様万歳!!」



 遠くにて。


 黒牛。


 草食みたり。



 もぐもぐ。



 平和なり。



 やがて。


 倉庫奥より過激派幹部ら現れたり。



 皆。


 やたら豪華なる服纏ひたり。



 しかも。


 胸元には大型トラックらしき刺繍まで入りたり。



 誰も実物見たこと無きに。



 その中央に立つ男。


 深々と頭下げたり。



「教祖様!!」



「うむ」



「本日はお越し頂きありがとうございます!!」



「うむ」



「大型トラック神建立計画へようこそ!!」



「うむ」



 少し沈黙落ちたり。



「何をしておるなり」



 貴光問ひたり。



「大型トラック神建立計画です!!」



「知っておるなり」



「素晴らしき計画です!!」



「それも知っておるなり」



 再び沈黙落ちたり。



「何故作るなり」



 幹部ら顔見合わせたり。



 やがて。


 一人、胸張りて答へたり。



「大きいからです」



 風のみ吹きたり。



「大きいからなりか」



「大きいからです」



「それだけなりか」



「それだけです」



 貴光困惑したり。



 佐藤困惑したり。



 レン困惑したり。



 エレノア頭抱へたり。



 発明家のみ感心したり。



「潔いですね」



「そこ感心するとこじゃねえ」


 レン突っ込みたり。



 その時。


 一人の若き信者。


 恐る恐る手挙げたり。



「質問」



「何だ」



「大型トラックとは何でしょうか」



 しん。



 空気止まりたり。



 幹部ら固まりたり。



 数秒後。



 代表者。


 咳払いしたり。



「知らん」



 全員頷きたり。



「なるほど」



「そうだったか」



「流石幹部」



 流石では無かったり。



 実のところ。


 誰一人として大型トラックなるものを知らざりければなり。



 その後。


 貴光ら倉庫奥へ案内されたり。



 そこにありしは。


 巨大なる木製模型なり。



 高さ三メートルほど。



 大型トラック神試作第一号。



 信者ら期待の目向けたり。



「どうでしょう教祖様!!」



「神々しいでしょう!!」



「格好良いでしょう!!」



 貴光。


 前より見たり。



 横より見たり。



 後ろより見たり。



 更に一周したり。



 やがて。



「なるほど」



 頷きたり。



 信者ら歓声上げたり。



「認められた!!」



「勝った!!」



「建立確定だ!!」



 しかし。



 貴光。


 静かに口開きたり。



「軽虎様より格好悪きなり」



 倉庫内。


 静まり返りたり。



「なっ」



「何だと!?」



「そんな馬鹿な!!」



 騒然たり。



 貴光。


 模型指差したり。



「軽虎様は愛らしきなり」



「は?」



「丸みあり」



「は?」



「親しみやすきなり」



「は?」



「されどこれは怖きなり」



「は?」



「近寄りたくなきなり」



 完全に予想外の方向より否定されたり。



 その時。


 エレノア、小声にて呟きたり。



「そこなのね……」



 佐藤も頷きたり。



「そこなんだよな……」



 レンも頷きたり。



「そこなんだよ」



 されど。


 過激派信者ら諦めざりけり。



「ならば改良だ!!」



「もっと格好良くするぞ!!」



「黄金を貼れ!!」



「宝石も付けろ!!」



「翼も付けろ!!」



「角も付けろ!!」



 もはや何を作らんとしておるのか分からず。



 その様子見つめながら。


 貴光。


 静かに呟きたり。



「やはり面倒なり」



 その場の全員。


 深く頷きたり。



 そして誰も気付かぬうちに。


 募金箱の金貨。


 更に増えたり。



 大型トラック神建立計画。



 止まるどころか。


 むしろ勢い増し始めたり。

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