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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
神界業界編

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転生者不足問題なりしこと

「転生者が足りんぞ!!」


 怒号響きたり。



 会場。



 一瞬にして静まりたり。



 軽トラ派。



 レビュー戦争。



 ジャンル論争。



 全て止まりたり。



「またか」



 担当神呟きたり。



「何なり」



 貴光問いたり。



「神界最大級の問題」



 担当神答えたり。



「転生者不足なり」



「転生者は不足するものなりか?」



 貴光首傾げたり。



 その時。



 壇上。



 統計神現れたり。



「今月の神界統計発表します」



 巨大画面点灯したり。



【登録世界数】



【138,522,761世界】



 しん。



「多すぎなり」



 貴光即答したり。



「我もそう思う」



 担当神頷きたり。



 さらに画面変わりたり。



【創世神総数】



【95,364,280柱】



「多すぎなり」



「我もそう思う」



 担当神再び頷きたり。



【今月新規作成世界】



【2,748,211世界】



「増えすぎなり」



「皆そう言う」



 担当神答えたり。



 その時。



 一柱の神立ちたり。



「主人公がおらん!」



 別の神。



「勇者がおらん!」



 また別の神。



「悪役令嬢がおらん!」



 さらに別の神。



「経営者がおらん!」



 会場。



 阿鼻叫喚なり。



「何故先に作るなり」



 貴光問いたり。



「勢い」



 担当神答えたり。



「最低なり」



 もっともなり。



 その時。



 天城創世立ちたり。



 会場静まりたり。



「現在の神界は」



「世界を作る速度が」



「転生者を確保する速度を上回っている」



 画面。



 変わりたり。



【世界:138,522,761】



【転生者候補:不足】



「だから」



「最近は一人を巡って神々が争う」



 佐藤。



 少し考えたり。



「俺の時みたいに?」



 しん。



 神々。



 一斉に目逸らしたり。



「……」



「……」



「……」



 怪しすぎたり。



「やはりなり」



 貴光頷きたり。



 その時。



 会場後方。



 一柱の老人神立ちたり。



「昔は良かった」



 神々。



 嫌そうな顔したり。



「出た」



「古参神だ」



「始まった」



 老人神。



 杖つきたり。



「わしが新人だった頃」



「世界は五つしか無かった」



 しん。



 貴光固まりたり。



「五つ?」



「五つじゃ」



「少なすぎるなり」



「今が多すぎるのじゃ」



 もっともなり。



「その頃は」



「転生者一人で大騒ぎだった」



「今は?」



「毎日数万人転生しとる」



 感覚麻痺しておりたり。



 老人神。



 会場見渡したり。



「世界を増やしすぎた」



「転生者を欲しがりすぎた」



「神が増えすぎた」



 しん。



 会場。



 妙に静まりたり。



 誰も反論せず。



 事実だからなり。



 その時。



 貴光。



 ふと問いたり。



「ならば」



「うむ」



「何故世界を作るのをやめぬなり」



 しん。



 会場。



 再び静まりたり。



 神々。



 顔見合わせたり。



 一柱。



 小さく呟きたり。



「それが出来たら苦労せん」



 そして。



 神界最大の問題は。



 転生者不足ではなく。



 神自身が世界を作るのをやめられぬことだったり。

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