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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
神界業界編

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天才発明家、諦めざりしこと

「断るなり」


 御池貴光。



 即答したり。



 発明家。



 固まりたり。



「何故だ!」



「嫌なり」



「何故だ!」



「飛ぶからなり」



「そこが素晴らしいのだ!」



「嫌なり」



 話通じず。



 発明家。



 困惑したり。



 一方。



 佐藤。



 納得したり。



「まあ貴光だしな」



「貴光ね」



 エレノアも頷きたり。



 何せ。



 軽トラすら嫌う男なり。



 人間大砲など。



 乗るわけなし。



 その時。



 発明家。



 ふと思いつきたり。



「報酬を出そう!」



「ほう」



 貴光。



 反応したり。



「金貨十枚!」



「断るなり」



「二十枚!」



「断るなり」



「五十枚!」



「断るなり」



 発明家。



 焦りたり。



「何なら乗るんだ!」



 貴光。



 一拍置きたり。



「乗らぬなり」



「無敵か!?」



 発明家叫びたり。



 その時なり。



 野次馬の中より。



「私が乗るぞ!」



 若き男現れたり。



 冒険者なり。



「おお!」



 発明家歓喜したり。



「理解者か!」



「金貨五十枚欲しい」



「正直だな!」



 実に正直なり。



 十分後。



 発射準備完了。



 巨大なる木筒。



 冒険者。



 詰められたり。



「本当に大丈夫なんだろうな!?」



「多分!」



「多分!?」



 不安しかなし。



 発明家。



 レバー引きたり。



「発射ぁぁぁ!!」



 どごん。



 冒険者。



 飛びたり。



 空高く。



 飛びたり。



「うおおおおおおおお!!」



 観客。



 見上げたり。



「成功なり?」



 貴光問いたり。



「いや」



 佐藤答えたり。



「まだだ」



 そして。



 冒険者。



 落ちたり。



「ぎゃあああああああ!!」



 どごん。



 屋台へ直撃。



 屋台崩壊。



 冒険者。



 無事。



「無事なの!?」



 エレノア叫びたり。



 冒険者。



 ふらふら立ち上がりたり。



「生きてる……」



 観客。



 拍手したり。



「成功だ!」



「成功なのか?」



 佐藤困惑したり。



 その時。



 発明家。



 胸張りたり。



「見たまえ!」



「うむ」



「人類初!」



 一拍。



「人間投射装置だ!」



 しん。



 全員。



 思いたり。



 いらない。



 その時なり。



 発明家。



 再び貴光を見たり。



「どうだ!」



「どうとは」



「乗りたくなっただろう!」



「全く」



 即答なり。



 発明家。



 膝つきたり。



「何故だぁぁぁ!!」



 心折れたり。



 されど。



 その時。



 エレノア。



 ふと発明家の荷物見たり。



「ねえ」



「何だ」



「その後ろの設計図」



「ん?」



 発明家。



 振り返りたり。



 大量の設計図。



 積まれたり。



「次の発明かしら」



「もちろんだ!」



 発明家。



 自信満々なり。



「次こそ世界を変える!」



「嫌な予感しかしないなり」



 貴光呟きたり。



 実際。



 嫌な予感しかしなかった。

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