新たなる街を目指しけること
軽トラ教団の街を発ちて三日。
御池貴光。
佐藤健一。
エレノア。
三人は街道を歩みたり。
⸻
「平和なり」
貴光言いたり。
⸻
「平和だな」
佐藤頷きたり。
⸻
「平和ね」
エレノアも頷きたり。
⸻
実際平和なり。
⸻
魔物もおらず。
盗賊もおらず。
神も現れず。
軽トラ教団もおらず。
⸻
実に平和なり。
⸻
されど。
⸻
「ところで」
エレノア口を開きたり。
⸻
「次どこ行くの?」
⸻
しん。
⸻
沈黙。
⸻
貴光。
⸻
「知らぬなり」
⸻
佐藤。
⸻
「知らん」
⸻
エレノア。
⸻
頭抱えたり。
⸻
「何で旅してるのよ!?」
⸻
「旅とはそういうものなり」
⸻
「違うわよ」
⸻
もっともなり。
⸻
その時。
⸻
エレノア。
⸻
地図を取り出したり。
⸻
「とりあえず次の街は――」
⸻
地図確認したり。
⸻
「カルディアね」
⸻
「どのような街なり?」
⸻
貴光問いたり。
⸻
「商業都市よ」
⸻
「ほう」
⸻
「色んな商人が集まる街」
⸻
佐藤。
⸻
少し嫌な予感したり。
⸻
「商人か……」
⸻
過去。
⸻
ポテチ商売。
⸻
色々ありたり。
⸻
思い出したくなかった。
⸻
されど。
⸻
他に行く当てもなし。
⸻
三人。
⸻
カルディアを目指すことになりたり。
⸻
数刻後。
⸻
街道。
⸻
前方。
⸻
馬車一台。
⸻
止まりたり。
⸻
「助けてくれー!」
⸻
声聞こえたり。
⸻
三人。
⸻
近付きたり。
⸻
見れば。
⸻
商人なり。
⸻
車輪壊れたり。
⸻
「おお!」
⸻
商人。
⸻
歓喜したり。
⸻
「旅人か!」
⸻
「そのようなものなり」
⸻
貴光答えたり。
⸻
「車輪が外れたんだ!」
⸻
「大変ね」
⸻
エレノアしゃがみたり。
⸻
確認したり。
⸻
「釘が抜けてるだけよ」
⸻
「本当か!?」
⸻
「ええ」
⸻
そして。
⸻
エレノア。
⸻
器用に修理したり。
⸻
数分後。
⸻
修理完了。
⸻
「おおおお!」
⸻
商人感動したり。
⸻
「助かった!」
⸻
「礼には及ばぬなり」
⸻
貴光。
⸻
偉そうに頷きたり。
⸻
なお。
⸻
何もしておらず。
⸻
「お前何もしてないだろ」
⸻
佐藤突っ込みたり。
⸻
「応援しておったなり」
⸻
「役立たずじゃねえか」
⸻
その時。
⸻
商人。
⸻
ふと思い出したり。
⸻
「そうだ」
⸻
「?」
⸻
「お礼に教えてやろう」
⸻
三人。
⸻
耳傾けたり。
⸻
「カルディアには今」
⸻
一拍。
⸻
「妙な連中が来てる」
⸻
「妙な連中なり?」
⸻
「転生者だ」
⸻
しん。
⸻
三人。
⸻
顔見合わせたり。
⸻
またか。
⸻
そう思いたり。
⸻
「今度は何者なり」
⸻
貴光問いたり。
⸻
商人。
⸻
少し困った顔したり。
⸻
「それがな」
⸻
「うむ」
⸻
「自分を”天才発明家”と名乗っておる」
⸻
しん。
⸻
佐藤。
⸻
嫌な予感したり。
⸻
エレノア。
⸻
嫌な予感したり。
⸻
貴光。
⸻
「発明家とは何なり?」
⸻
何も分かっておらず。
⸻
こうして。
⸻
三人は新たなる騒動の待つ商業都市カルディアへ向かいけり。




