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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
神界業界編

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佐藤健一が語り終えしこと

 佐藤健一の話、ようやく終わりたり。


 実に三十話分。


 長きことこの上なし。


 されど。


 聞き終えたる御池貴光の感想は一つなり。


「意味分からぬなり」


「だろうな」


 佐藤健一も否定せず。


 何せ。


 軽トラにより人類滅亡。


 神々による主人公争奪戦。


 全方位軽トラ突撃。


 そして転生。


 理解せよという方が無理なり。


「というか」


 エレノア腕組みたり。


「結局あなた、その後三年何してたのよ」


「あー」


 佐藤健一頭を掻きたり。


「色々だな」


「雑なり」


 御池貴光即座に突っ込みたり。


 されど。


 実際色々なり。


 森へ落ちたり。


 街へ辿り着きたり。


 ポテチを売りたり。


 盗賊に襲われたり。


 冒険者となりたり。


 宿代を踏み倒されそうになりたり。


 魔物から逃げたり。


 野宿したり。


 川へ落ちたり。


 山で迷ったり。


 街を転々としたり。


 そうしておるうち。


 三年経ちたり。


「なるほど」


 エレノア頷きたり。


「全然分からないわ」


「何でだよ」


 佐藤健一抗議したり。


「三年分を数行で済ませるからなり」


 御池貴光呆れたり。


 実際その通りなり。


 されど。


 佐藤健一にも言い分ありたり。


「だってそんな面白いこと無かったし」


「軽トラアポカリプスの後にそれ言う?」


 エレノア呆れたり。


 もっともなり。


 人類滅亡を経験した男にとりて。


 普通の冒険者生活など。


 刺激不足なりしやもしれぬ。


 その時なり。


 御池貴光ふと思い出したり。


「そういえば」


「ん?」


「そなた何歳なり」


「二十五」


「ふむ」


 御池貴光考えたり。


 己。


 平安貴族。


 年齢不詳。


 佐藤。


 二十五。


 エレノア。


 十七。


 何とも妙なる集団なり。


「年齢差酷いわね」


 エレノアも同じこと考えたり。


「しかも貴光の方が年上か年下か分からないし」


「我も分からぬなり」


 御池貴光答えたり。


 実際分からぬ。


 何せ転生者なり。


 計算が面倒なり。


 そんなこと話しつつ。


 三人。


 街道を歩みたり。


 軽トラ教団の街は既に遠く。


 信者達もおらず。


 ただ三人のみ。


 久方ぶりの旅なり。


 風は穏やかに吹きたり。


 空は青く。


 鳥は鳴きたり。


 平和なり。


 されど。


 その平和も長くは続かぬ。


 何故なら。


 三人とも知らぬことなれど。


 この世界には。


 もっと面倒な者達。


 もっと厄介な転生者達。


 そして。


 神々すら頭を抱える存在が。


 まだまだ残りおるからなり。


「さて」


 エレノア地図を広げたり。


「次はどこ行く?」


「知らぬなり」


 御池貴光即答。


「だと思った」


 佐藤健一即答。


 こうして。


 三人の旅は。


 再び始まりたり。

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