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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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最後の九人、水族館へ行くこと

 2027年3月30日。



 世界人口。



 9人。



 残り2日。



 当然。



 知らない。



 一方。



 温泉旅館。



 朝。



 元漁師。



 突然。



「魚見たい」



 しん。



「食う方?」



 佐藤。



 聞く。



「見る方」



 珍しかった。



 というわけで。



 人類最後の水族館遠征。



 決定。



 一時間後。



 到着。



 巨大水族館。



 海沿い。



 無人。



 静か。



 だが。



 水槽。



 生きていた。



「マジか」



「マジだ」



 魚。



 泳ぐ。



 クラゲ。



 漂う。



 ペンギン。



 歩く。



 普通だった。



 世界で一番普通だった。



「むしろ安心する」



 主婦。



 呟く。



 全員同意。



 一方。



 神界。



「反応確認!」



「どこだ!?」



「海沿いです!」



「前より進歩したな」



「でも詳細不明です」



「帰れ」



 いつも通りだった。



 一方。



 水族館。



 巨大水槽前。



 九人。



 座る。



 魚。



 泳ぐ。



 魚。



 泳ぐ。



 魚。



 泳ぐ。



 五分経過。



「平和だな」



 高校生。



 呟く。



「平和だな」



 全員同意。



 その時。



 元配信者。



 水槽を指差す。



「おい」



「何だ」



「軽トラいる」



 しん。



 全員。



 見る。



 そこには。



 おもちゃの軽トラ。



 沈んでいた。



「やめろ」



 佐藤。



 即答。



「もう軽トラアレルギーなんだよ」



「分かる」



 全員頷く。



 その後。



 イルカショー会場。



 到着。



 当然。



 人はいない。



 しかし。



 イルカ。



 いた。



「どうやって生きてるんだ」



 元研究員。



 真面目に考える。



「知らん」



 結論。



 知らん。



 だった。



 その時。



 イルカ。



 ジャンプ。



 着水。



 バシャァァァ!!



 そして。



 偶然。



 最前列の佐藤。



 びしょ濡れ。



「何でだよ!!」



 全員爆笑。



 人類最後のイルカショー。



 成功。



 夕方。



 屋上。



 海を眺める。



 綺麗だった。



 夕日。



 海面。



 静か。



 その時。



 元自衛官。



 双眼鏡を見る。



「ん?」



「どうした」



 佐藤。



 聞く。



「船だ」



 しん。



 全員。



 見る。



 遠く。



 海上。



 何かいる。



 拡大。



 貨物船。



 ではない。



 漁船。



 でもない。



 軽トラ。



 浮いていた。



「……」



「……」



「何で?」



 誰も答えられない。



 しかも。



 一台ではない。



 二台。



 三台。



 十台。



 二十台。



 五十台。



 海の上。



 軽トラ。



 大集合。



「最近本当に増えてないか?」



 元教師。



 真顔。



「増えてる」



 元研究員。



 即答。



 初めてだった。



 全員が。



 同じ違和感を抱いたのは。



 一方。



 神界。



 観測神。



 モニターを見る。



「反応が濃くなった?」



 しん。



 初めて。



 ほんの少しだけ。



 何かがおかしいと気付く。



 だが。



 まだ分からない。



 まだ。



 あと一歩足りない。



 一方。



 地球。



 海。



 軽トラ。



 2,384台。



 増加中。



 空。



 軽トラ。



 増加中。



 山。



 軽トラ。



 増加中。



 そして。



 2027年4月1日まで。



 残り。



 48時間。

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