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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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最後の九人、学校へ行くこと

 2027年3月26日。



 世界人口。



 9人。



 残り6日。



 誰も知らない。



 あと6日後に。



 人類史が終わることを。



 一方。



 温泉旅館。



 朝。



 高校生。



 窓の外を見ていた。



「学校行きてぇな」



 しん。



 全員。



 固まる。



「正気か?」



 佐藤。



 真顔。



「いや」



 高校生。



 少し笑う。



「当時は嫌だったけどさ」



「今思うと」



 一拍。



「普通の日常って結構良かったんだな」



 静かになる。



 誰も否定できない。



 そして。



 元教師。



 立ち上がる。



「行くか」



「どこへ」



「学校」



 全員。



 納得した。



 してしまった。



 一時間後。



 某県立高校。



 到着。



 門。



 開いている。



 校庭。



 無人。



 教室。



 無人。



 静かだった。



 あまりにも。



 静かだった。



「懐かしいな」



 高校生。



 呟く。



 教室へ入る。



 机。



 黒板。



 ロッカー。



 全部。



 あの日のまま。



 止まっていた。



 2026年4月6日。



 軽トラアポカリプス開始の日。



 そのまま。



 時間だけが流れた。



「お」



 佐藤。



 黒板を見る。



『提出物忘れるな』



 大きく書かれている。



「提出先消えたな」



「学校も消えたしな」



 全員頷く。



 一方。



 神界。



「反応確認!」



「どこだ!?」



「消えました!」



「帰れ」



 観測神。



 投げやりだった。



 一方。



 学校。



 元教師。



 職員室へ。



 そして。



 日誌を見つける。



『明日は始業式』



 日付。



 2026年4月5日。



 しん。



 少しだけ。



 空気が変わる。



 始業式。



 結局。



 行われなかった。



 その時。



 高校生。



 突然。



 教卓へ立つ。



「起立」



 しん。



「礼」



 全員。



 何故か立つ。



「おはようございます」



 全員。



 反射的に言ってしまう。



 そして。



 全員。



 吹き出す。



「何やってんだ俺ら」



「知らん」



「条件反射怖ぇ」



 笑い声。



 教室に響く。



 久しぶりだった。



 生徒の声が。



 この学校に戻ったのは。



 一方。



 元配信者。



 放送室を発見。



「おい」



「またか」



「放送できるぞ」



「お前そればっかだな」



 十分後。



 校内放送。



『こちら人類です』



「またそれか」



 全員爆笑。



『本日の出席者は9名です』



『欠席者は約80億名です』



 校内放送終了。



 誰も聞いていない。



 だが。



 何故か満足だった。



 夕方。



 校庭。



 九人。



 ベンチに座る。



 夕日。



 綺麗だった。



「なあ」



 佐藤。



 空を見る。



「何だ」



 元自衛官。



 返す。



「今の俺らって」



「うん」



「学校で言うと」



「うん」



「全校生徒9人だよな」



 しん。



「過疎校にも程がある」



 高校生。



 即答。



 全員笑う。



 そして。



 誰も気付かない。



 校門の外。



 軽トラ。



 百台を超えていたことに。



 しかし。



 軽トラ達は。



 何もしない。



 ただ。



 静かに。



 そこにいた。



 まるで。



 何かを待つように。

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