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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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最後の九人、最後の修学旅行みたいになること

 2027年3月25日。



 世界人口。



 9人。



 今日も9人。



 そして。



 全員。



 温泉旅館にいた。



「帰りたくねぇな」



 高校生。



 朝食を食べながら言う。



「分かる」



 佐藤。



 即答。



 味噌汁。



 焼き魚。



 温泉。



 布団。



 終末世界にしては。



 快適すぎた。



 一方。



 旅館の外。



 軽トラ。



 48台。



 増えていた。



 しかし。



 誰も見ていない。



 一方。



 神界。



 観測神。



 三徹。



「見つからん……」



 限界だった。



 だが。



 上司神。



「頑張れ」



「無理です」



「頑張れ」



「無理です」



 神界もブラックだった。



 一方。



 旅館。



 朝食後。



 暇。



 とても暇。



「何する?」



 元配信者。



 聞く。



「卓球」



「昨日やった」



「温泉」



「さっき入った」



「散歩」



「終末世界だぞ」



 却下。



 その時。



 元教師。



 倉庫を発見。



「おい」



「何だ」



「面白いもん見つけた」



 全員集合。



 倉庫。



 開く。



 中。



 大量の浴衣。



 大量の座布団。



 大量の宴会グッズ。



 そして。



 カラオケ機械。



 しん。



「生きてる?」



「試すか」



 十分後。



 起動。



 した。



「うおおおおお!!」



 全員歓喜。



 人類最後のカラオケ大会。



 開催。



 トップバッター。



 元配信者。



 熱唱。



 音程。



 死んでいた。



「下手だな」



「黙れ」



 高校生。



 爆笑。



 次。



 元教師。



 昭和ソング。



 全員知らない。



「何の歌だ」



「名曲だぞ」



「知らん」



 世代差だった。



 一方。



 佐藤。



 マイク持つ。



「何歌うんだ」



「アニソン」



「だろうな」



 予想通りだった。



 数時間後。



 全員。



 疲れる。



 そして。



 窓の外。



 夕焼け。



 綺麗だった。



 高校生。



 ぽつり。



「さ」



「ん?」



「これ修学旅行みたいだな」



 しん。



 全員。



 少し黙る。



 修学旅行。



 卒業旅行。



 社員旅行。



 家族旅行。



 色んなものを思い出す。



 そして。



 佐藤。



 少し笑う。



「人類最後の修学旅行か」



「スケールでかいな」



「世界史に載るな」



「人類いないから載らないぞ」



 全員。



 笑う。



 一方。



 神界。



 新人神。



「残存人類って本当にいるんですか?」



「いる」



「見たことないんですが」



「俺も見たことない」



 観測神。



 遠い目。



 していた。



 その頃。



 旅館の外。



 軽トラ。



 73台。



 増加。



 軽トラ達。



 無言。



 ただ並ぶ。



 まるで。



 何かを待つように。



 だが。



 旅館の中では。



 誰もそんなことを知らない。



 最後の九人は。



 今日も笑っていた。



 そして。



 軽トラアポカリプス最後の日まで。



 残り7日。

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