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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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103/313

最後の九人、ラジオ局を占拠すること

 2027年3月23日。



 世界人口。



 9人。



 相変わらず。



 9人。



 増えない。



 減らない。



 奇跡的な均衡だった。



 一方。



 最後の拠点。



 朝食中。



 高校生。



 ふと思う。



「なあ」



「何だ」



 佐藤。



 味噌汁飲む。



「世界中に人いないんだよな」



「多分な」



「だったら」



 一拍。



「ラジオやっても怒られなくね?」



 しん。



 全員。



 顔を上げる。



「確かに」



「確かに」



「確かに」



 満場一致だった。



 一時間後。



 旧地方ラジオ局。



 到着。



 建物。



 無傷。



 人。



 いない。



 軽トラ。



 駐車場に二台。



「従業員みたいに停まってるな」



「出勤してるんだろ」



 していない。



 局内。



 探索開始。



 そして。



「おい」



 元研究員。



 叫ぶ。



「設備生きてるぞ」



「マジか」



「マジだ」



 発電機接続。



 数分後。



 機材起動。



 ランプ点灯。



 しん。



 全員。



 盛り上がる。



「うおおおお!!」



「放送できるぞ!!」



「何話すんだ!!」



「知らん!!」



 計画性ゼロだった。



 一方。



 神界。



「反応消えた」



「またか」



「またです」



 観測神。



 泣きそうだった。



 半年近く。



 追跡している。



 だが。



 見つからない。



 一方。



 ラジオ局。



 放送開始。



 ピーーー。



『こちら』



 佐藤。



 咳払い。



『こちら人類です』



 しん。



 スタジオ。



 爆笑。



「雑すぎるだろ」



「だって人類9人だぞ」



「それもそう」



 その後。



 番組名決定。



『人類最後のラジオ』



 スポンサー。



 無し。



 リスナー。



 9人。



 終わっていた。



『本日のニュースです』



 元教師。



 読み上げる。



『人類は今日も9人でした』



『以上です』



「短いな」



「ニュース終わりだしな」



 その後。



 元配信者。



 DJ役。



『続いて交通情報です』



 しん。



『全国的に軽トラが多いです』



『以上です』



 全員爆笑。



 交通情報ですらない。



 その時。



 研究員。



 受信機を見る。



「ん?」



「どうした」



「何か受信した」



 しん。



 全員静まる。



「人類か?」



「分からん」



 ノイズ。



 ザーーーー。



 ザーーーー。



 そして。



 微かに。



『……ト……ラ……』



 しん。



「軽トラ?」



『……ケイ……ト……』



「軽トラだな」



「軽トラだな」



 全員納得。



 結局。



 受信内容。



 不明。



 一方。



 神界。



 通信神。



 報告。



「地球で謎の放送確認」



「場所は!?」



「分かりません」



「何で!?」



「地球中の設備が壊れてるので」



「クソが!!」



 神界。



 少しずつ。



 焦り始めていた。



 一方。



 ラジオ局。



 放送終了。



『また明日』



『生きてたら』



 電源を切る。



 外。



 夕暮れ。



 静かだった。



 世界は終わった。



 だが。



 最後の九人は。



 今日も笑っていた。



 そして。



 誰も気付かなかった。



 ラジオ局の屋上に。



 軽トラが一台。



 増えていたことに。

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