表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緋の暁光《あけのぎょうこう》  作者: KY
序章 いつか、あなたを繋ぐ為のーー
8/11

序/七 ーー目覚まし時計を止めるような

「――――……………っ…ぁ…。」


 目からこぼれた水が 止まらなくて。

頭の中が ぐちゃぐちゃしてて。

体がふるえて おかしくなりそう。


「はははははははははははッ!!!」


 近くで すごくいやな(おと)がした。


「おいおい!なんだよ、そりャあ!人間一人、死んだ()()だぜ!?」


 (おと)はどんどん 頭のおくに入って来るようなかんじがする。


 ――――うるさい。


「どうでもいいだろ、そんなもん。お前は、人間じゃないんだから。」


 (おと)が すこしづつ近づいてくる。


 ――――すごく うるさい


「お前は、『こっち側』の存在だろ。俺と来い。人間との()()()()()()()を、教えて―――」


 佐堂(さどう)さんを しなせたモノが すぐ近くで うるさい(おと)を出してる。


あたまの おくで じりじりと


「……ぁ…っ………ア…ァ……ッ!」


 ―――――――――本当に うるさい 



「〓〓〓〓〓〓〓〓―――――――――――!!!」



 そのとき、わたしの口から聞いたことのない(おと)が出て、とつぜんきえるみたいに、いしきがとぎれた。



   ―――――――――――――――――



「―――………はぁ…っ…、っ……は…。」


  気がついたら、すごくきもちがわるくなってた。まわりを見たら、じめんはガチャガチャになってて。


 …あの、いやな(おと)を出してたモノは、いなくなってた。

どうなったのか分からないけど…いないなら、いい。


「………………佐堂(さどう)さん、は…?」


 近くにいなくて、もっとよくまわりを見る。

……見つけた。

いしきがとぎれる前より、はなれたところにいる。いつもより動かしづらい体をなんとか動かして、佐堂(さどう)さんのところまで、歩く。


「……………………。」


 となりに、すわる。

佐堂(さどう)さんの体は、さっきと変わってない。お腹はなくなったままで、『ち』がたくさん出ちゃったから、もう、おしゃべりはできない。

 佐堂(さどう)さんは、『しんだ』――。


「……っ…!」


 このまま『家』に行っても、だれもいない。

わたしはこれから、ひとりで、いきなきゃ…。


 それを考えると、また目から水がこぼれてくる。きもちがぐにゃぐにゃで、体も動かしづらくて。

 じぶんの体を見てみると、ふくも体もたくさんよごれてた。

それに気づいたら、なんだか体の力がぬけて、そのまま、たおれた。


 たおれたら、空が見えた。

すごく、くらくて、人は『ねる』じかん。

わたしも、きのうまでの、よっかはそうだった。

今とおなじように、佐堂(さどう)さんのとなりで横になって。


「……。」


 手を、にぎる。

すこしくらい元気になれるかと思ったけど、ダメだった。

むしろ、さっきより…、


「…………『さみしい』よ…佐堂(さどう)さん…。」


 話しかけても、何もかえってこない。

また目から水がこぼれて、それからすこしづつ、いしきがとじていく。

 さっきとはちがって、ゆっくりと。いつもとおなじように、佐堂(さどう)さんのとなりで。





 ――――そして、この日々は終わる。

けれど、『運命』は終わってない。それでも、わたしは生きていく。

 佐堂(さどう)さんがくれた大切なモノを、胸に刻んで歩いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ