アカリさんの事情
「親友よりもう一歩踏み出すぅ?」
僕には、アカリが意図している事が分からなくなった。
「そう…こ、恋人になって欲しいの。」
ああ、アカリさんのお目々がキラキラ(当社比5倍)で眩しい限りだ。
「なんでまた、恋人募集中になったんだ?」
アカリのヤツ、何か慌てているような気がする。
「実はね、お見合いの話が舞い込んできたの。」
ようやく本題突入ですね。
「それで。」
「『相手は優しい男だ』とか『良家の御曹子』とか『アカリのためよ』とか、いろいろ言われるんだけど…何かが違うの。」
視線を逸らさず、真っ直ぐ僕を見つめるアカリ。
「まぁ、アカリの家の道場は有名だからなぁ~。」
ちょっと目線を反らし、オレンジジュースを口に含む僕。
「それで、友達に聞いてみたの…『お見合い結婚って幸せになるのかなぁ~』って。」
「!!!」
『結婚』の単語で、オレンジを噴き出しかける僕。
「あ~、もぉ~、ノブ君はそそっかしいんだから。」
そう言って、口元を押さえている僕の手の上から、自分のハンカチを優しくあてがってくれるアカリ。
「…ありがと。」
「どういたしまして♪」
にこやかに微笑むアカリ。
二人揃って、オレンジジュースで喉を潤す。
「んで、その『結婚』を踏まえると?」
何だか沼ってきたような。
「うん、『お見合い結婚でも、幸せになるけど…』って言われてね。」
「うんうん。」
両肘を机に起き、顔の前で手を合わせモジモジするアカリ。
僕も先の展開が気になり身を乗り出す。
「『やっぱ、結婚は恋愛っしょ!』…だって。」
オイオイお友達ィ!
「でね、『恋愛するんだったらどんな男の子が良いか?』って話になって…。」
そこから紆余曲折を経た挙げ句に、本日のデートとなったようである。




