サダノブ 選択の自由
「ところでアーチャン。」
「なぁ~に?ノブ君。」
路上の往来が見えるカフェテラスで、サンドイッチを頬張る僕とアカリ。
「なんで、デート相手が僕なわけ?」
「話し易い異性だからだけど?」
パラソルの下、こぢんまりとしたテーブルに向かい合って座り、恋バナは続く。
「そんな、安直な…」
「え~!とっても大事な事って、友達が言ってたよ。」
どういう尺度で話が展開しているんだ、お友達。
「でも、アーチャンは気立ても良くって、話し上手だから、引く手も数多ありそうだけどなぁ。」
「フィーリングよ、フィーリング。
ノブ君と私って、何故か波長が合うのよね。」
抽象的な話が広がって来たよぉ。
「にしても、その美貌は……って、痛いよ!」
美貌のところで、思いっきりグーパンチがアカリから僕へ飛んでくる。
「もぉ~!『美貌』とか言わないで!恥ずかしいんだから!」
両手を頬に当て、本気で困ったような顔をするアカリ。
道中聴いたところによれば、今回のデート作戦の手引は母親による仕業らしい。
衣装から髪のセット、お化粧に至るまで、徹底的なコーディネートが行われた…との事だった。
「今日のアーチャンは、綺麗で可愛くて、僕には勿体ないくらいの美人さんだよ。
それが事実であり全てさ。」
まぁ、クッサイ台詞の出ること出ること。
「じゃ、じゃあ、今日の私にだったらノブ君は惚れてくれる?」
とんでもない直球が飛んで来たぞぉ!
「今日も何も、アーチャンはいつでも僕の大親友だよ!」
しかし、アカリさんは上目遣いで懇願するように畳みかける。
「あのね、親友より…もう一歩踏み出したいの。」




