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The Dead In The Water 〜ザ・デッド・イン・ザ・ウォーター〜  作者: しじみちゃん
The Dead In The Water: The Beginning Of The End
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成果

 実験が終わるまで、約二十日を要した。


 その間も各研究チームは新しいアイデアを出したりエンジニアリングしていたが、俺はというと、基本的にやることがなかった。


 何がどうなっているのかの説明をもらって、それを元に上に対して報告を上げる。実験中はほぼ日報みたいに毎日提出した。


 そして肝心の経過はどうだったかというと……


「それにしても仕上がってますね、この細胞人体模型」とマリーがボブに言った。


「エクセレンッ」


 てな感じで、テリヤキ氏の肉体はバキバキに仕上がっている。


 カプセルの中にずっと閉じ込められていたにも関わらず、である。


「除脂肪体重が65パーセント増加、骨密度を維持したまま平均2ミリの骨面積増加と。身長も少し伸びましたね」


「実験開始当初の模型も、私のこの目で見ておきたかったものだがね、成果は素晴らしい」


 ボブは呆然と細胞人体を見上げながら、ため息を吐いた。


 俺はボブに言った。


「予算を増やして良かっただろ?」


「そのようだ。ところでジョニー、もうきみはお役御免だ、と言わされそうなところだがね?」


「ま、契約満了ってとこかな。契約はしてないけど」


「私個人としては、これからも末長く力を貸して欲しいと思っている。というわけで、先日社長に直談判してきた」


「またベッドの上でですか?」とマリーが余計な口を挟んだ。


 想像させるんじゃない!


「なんだね、マリー。きみは男におねだりするとき、そいつのケツでも舐めるのか?」


「なるほど」


 マリーはひどく軽蔑したような視線をボブに向けながら引き下がった。


「ジョニー、当分の間は暇だろうが、有り余った時間を是非クリエイティブに利用してくれ」


 というわけで、開発のフェーズは実際に兵士に投与する実証実験へと移った。


 同時に、スロープ社の製薬部門のエリート数名がこの人工島に集まってきて、あれこれ勝手に会議をして決めたあと、関わりのない社員にすら何を作っているか漏れないようなセキュアな製造フローが確立した。


 並行してそういうことができるほど、細胞人体での実験は確度が高いのだ。


 俺はとても暇になってしまった。


 やることが無いわけではないが、上に報告することがあって本当に稀だし、マーケティングとかも全然する必要がないので、口出せることが見つからない。


 だから研究員達が個々人で暇な時に行なっていた、サブプロジェクトを見て回った。


 以前、人が余っている状態が勿体ないから、なんか各々で研究すればいいじゃん、といった旨の提案を俺が上に投げて承認され、概ね前向きに受け入れられた。


 軽くレポートだけ残して頓挫してたり保留になっているもの。


 進行中ではあるが研究員が飽きていて全然進んでいないもの。


 どんどん進んでいて個人から小規模なチームでの研究になってきているもの。


 磨けば光りそうなサブプロジェクトがたくさんあった。


 一ヶ月もすれば、実証実験も終わって実戦投入されることだろう。


 俺はゾンビ化して死ぬ運命を変えるため、ゾンビ化するウィルスがそもそも作られないように努力してきた。


 ゾンビのはじまり、


 Xデーは回避できたのだろうか?

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